熊野の森に「再生」の舟 アート事業で大矢さん制作
和歌山県古座川町平井にある北海道大学和歌山研究林内に、美術家の大矢りかさん(64)=静岡県伊東市=が制作した作品がお目見えした。アートで熊野の森の素晴らしさを発信しようと、NPO和歌山芸術文化支援協会(和歌山市)が毎年取り組んでいる紀の国森づくり基金活用事業「森のちから」。拾い集めた枝を木に載せるように組んでできた舟には、コロナ禍からの「再生」や「よみがえり」への思いが込められているという。公開は12月20日まで。
「森のちから」は熊野の森にアーティストを招き、現地制作によって新たな視点から森の魅力を発見したり、地域住民との交流を通じたりして歴史と文化を育んできた熊野の森を発信しようという事業。2007年度から、田辺市中辺路町や串本町、古座川町を舞台に開催しており、今回で12回目。コロナ禍のため2年ぶりの開催となった今年は「森と響く」というテーマで、自然素材による大型の野外作品を国内外で制作してきた大矢さんを招いた。
大矢さんの作品のタイトルは「水を集めて、苔(コケ)の舟は再生した。」。
現地を訪れた大矢さんは「空に向かって手を広げているようだ」と、川沿いに生えている木に着目。美術家の南条嘉毅さん(44)=古座川町高池=らに手伝ってもらいながら、自然に落ちたり、伐採されたりしてコケが生えるなどした枝を周辺から拾い集め、木になるべく負担をかけないように載せて組み、1週間ほどかけて長さ8メートルほどの作品を作り上げたという。
20日に地域住民らが参加したアート・ツアーがあり、現地を訪れて作品を見学。参加した町内の女性(36)は「作家さんから作品に込めた思いを直接聞くことができてよかった。自然に調和したすてきな作品」と話した。
大矢さんは「コロナ禍で制作の機会がなくなり、今回の作品が最後との思いも抱えながら訪れたが、制作を進めるうちに楽しさを思い出した。コケは枯れたように見えても水を含めば青々と生き返ると北大の方から教わって、私もここで生き返ったような気がし、再生の象徴としてコケを使った。熊野は『よみがえりの地』とよくいわれており、私にとってはすごく大切な作品になった」と話していた。
公開時間は基本的に月~金曜の午前10時~午後3時で、見学には事前に北大和歌山研究林への連絡が必要。林内は火気の使用や動植物の採集は厳禁。問い合わせは北大和歌山研究林(0735・77・0321)へ。
また、この事業の一環として地元の小学校でアート・ワークショップを開いているほか、23日には大矢さんや南条さんらが参加するアート・トークを串本町田並の田並劇場で開催。時間は午後1時~3時半の予定で、参加費100円が必要。
「森のちから」は熊野の森にアーティストを招き、現地制作によって新たな視点から森の魅力を発見したり、地域住民との交流を通じたりして歴史と文化を育んできた熊野の森を発信しようという事業。2007年度から、田辺市中辺路町や串本町、古座川町を舞台に開催しており、今回で12回目。コロナ禍のため2年ぶりの開催となった今年は「森と響く」というテーマで、自然素材による大型の野外作品を国内外で制作してきた大矢さんを招いた。
大矢さんの作品のタイトルは「水を集めて、苔(コケ)の舟は再生した。」。
現地を訪れた大矢さんは「空に向かって手を広げているようだ」と、川沿いに生えている木に着目。美術家の南条嘉毅さん(44)=古座川町高池=らに手伝ってもらいながら、自然に落ちたり、伐採されたりしてコケが生えるなどした枝を周辺から拾い集め、木になるべく負担をかけないように載せて組み、1週間ほどかけて長さ8メートルほどの作品を作り上げたという。
20日に地域住民らが参加したアート・ツアーがあり、現地を訪れて作品を見学。参加した町内の女性(36)は「作家さんから作品に込めた思いを直接聞くことができてよかった。自然に調和したすてきな作品」と話した。
大矢さんは「コロナ禍で制作の機会がなくなり、今回の作品が最後との思いも抱えながら訪れたが、制作を進めるうちに楽しさを思い出した。コケは枯れたように見えても水を含めば青々と生き返ると北大の方から教わって、私もここで生き返ったような気がし、再生の象徴としてコケを使った。熊野は『よみがえりの地』とよくいわれており、私にとってはすごく大切な作品になった」と話していた。
公開時間は基本的に月~金曜の午前10時~午後3時で、見学には事前に北大和歌山研究林への連絡が必要。林内は火気の使用や動植物の採集は厳禁。問い合わせは北大和歌山研究林(0735・77・0321)へ。
また、この事業の一環として地元の小学校でアート・ワークショップを開いているほか、23日には大矢さんや南条さんらが参加するアート・トークを串本町田並の田並劇場で開催。時間は午後1時~3時半の予定で、参加費100円が必要。