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学生視点で資源磨き上げ 古座川町観光協会が実証実験

清流沿いでサイクリングを楽しむ学生ら(和歌山県古座川町小川で)
清流沿いでサイクリングを楽しむ学生ら(和歌山県古座川町小川で)
実証実験のプレゼンテーションでアイデアを提案する学生ら(和歌山県古座川町池野山で)
実証実験のプレゼンテーションでアイデアを提案する学生ら(和歌山県古座川町池野山で)
 和歌山県の古座川町観光協会(須川陽介会長)は8~11日、コロナ禍後を見据えて観光資源を磨き上げようと「スタディー(勉強)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語で、観光地などに滞在しながら勉強をする「スタディーケーション」の実証実験に取り組んだ。都内の大学で観光について学んでいる学生や教員が同町を訪問。さまざまな体験をし、観光振興などのアイデアを出した。


 観光協会は、コロナ禍で失われた観光需要の回復や地域経済の活性化に向け、関係者が連携して観光資源を磨き上げる実証事業を支援する観光庁の取り組みに選ばれており、今回はその一環。大学生7人と教員3人が訪れたが、大学名については「コロナ禍での対応」として非公表とし、人数も制限するなど感染予防をしながら取り組んだ。

 学生たちは滞在期間中、関係者らと意見を交わしながら、ジビエのソーセージ作りを体験したり、古座川の支流・小川沿いをサイクリングしたりしたほか、アユの友釣りや木工体験などをした。

■体験しアイデア発表 町の魅力発掘、課題解決

 3日目の夜には、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使い、学生がアイデアを提案した。各宿泊先から参加した学生たちは三つのグループに分かれ、町の魅力発掘や定住人口の獲得などをテーマに発表した。

 魅力発掘については「皆さんが当たり前だと思っているこの星空は、東京などから来る観光客にとっては見ることができない素晴らしい景色。大変感動した」と話し「星空で検索順位5位以内を目指す」という取り組みを提案。

 具体的には同町相瀬にある国の天然記念物「古座川の一枚岩」にプラネタリウムの映像を投影するなどし、その後に実際の星空を見てもらう仕掛けを披露。「得た知識を実際の星空で確認することができ、観光教育にもつながる」と述べた。

 この他、地元のお年寄りも巻き込み、食べ歩きができる飲食店として空き家を活用することや、若者に人気がある動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を使って宣伝をすることも提案した。

 また、別のグループは、住民を観光資源とすることを提案。「第二のおじいちゃん、おばあちゃんの存在を古座川でつくってもらえたら」とホームステイの取り組みを呼び掛けたほか、サイクリングや釣り・川遊び、デイキャンプ、カヌーを組み合わせた体験プラン、完全地元目線で個性豊かな住民にも会えるマップ制作を提案。若者の定住人口を獲得する方法として、農業をしながら滞在するアグリツーリズムや大学生の短期移住、木材の活用といったアイデアを披露したグループもあった。

 須川会長は「短い中で素晴らしく独創的な発想を頂き、ありがたい。すぐにでも実現できるものもあった。今後、皆さんの力を頂きながら、より良い形に進めていければ」と実現に意欲を見せた。

 観光協会では今後、実証実験として「ワーク(労働)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた「ワーケーション」やインバウンド(訪日外国人旅行)の復活に向けた在日外国人ツアー、キャンプイベントを予定しているという。

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