新型コロナ対策に94億円 歳入歳出とも過去最大、田辺市20年度決算
和歌山県田辺市は、2020年度の決算を公表した。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、市の通常の財布である「一般会計」は歳入(収入)、歳出(支出)ともに前年度より25%増えて過去最大となった。新型コロナ対策関連に充てた費用は計94億3884万円に上る。
20年度の当初予算額は460億7千万円。しかし、新型コロナの感染拡大を受け、年度途中に多額の補正予算を次々に組む異例の年度となった。
歳入は571億4924万円で、前年度より115億4567万円増加。歳出は545億8142万円で、前年度より109億823万円増加した。
歳入では、国民1人当たり10万円の特別定額給付金事業をはじめ、新型コロナ対策の主な財源となった「国庫支出金」が154億6485万円。前年度より95億9050万円(163%)増と、大きく膨らんだ。
自主財源の中心となる「市税」は82億4770万円で、前年度より1億491万円(1・3%)減少。コロナ禍で法人市民税や入湯税が減収したことが影響した。
歳出を目的別に見ると、雇用維持奨励金などで「労働費」が前年度比278%増、特別定額給付金や市民への商品券配布などで「総務費」が130%増、事業者支援金やプレミアム付き商品券販売などで「商工費」が107%増―などとなっている。
性質別では、新庁舎整備の本格化や新斎場建設などの影響で「普通建設事業費」が前年度より23億8496万円(43%)増の79億1956万円となっている。
一方で、新型コロナの影響でさまざまなイベントなどが取りやめとなり、年度途中に減額補正した予算も1億4千万円余りに上った。
歳入歳出の差引額から翌年度に繰り越すべき財源を除いた実質収支は、21億3888万円の黒字だった。
【借金、貯金残高】
借金に当たる「市債」の残高は500億9913万円。このうち7割超が後に交付税に算入されるため、実質的な負担額は約126億円だという。
貯金に当たる「財政調整基金」「減債基金」の残高は計129億1091万円。当初予算と4月の臨時補正予算を組む際は計10億円余りを繰り入れて財源に充てていたが、後に国から新型コロナ対策の臨時交付金が入ったことから、最終的に取り崩さなかった。
【財政指標】
市税や地方交付税など市が自由に使える財源のうち、人件費など固定的に支出する経費の割合を示す「経常収支比率」は98・0%。前年度より0・2ポイント上昇し、財政の硬直化がやや進んだ。
15年度は88・8%だったが、市町村合併による特例措置が終了して主要財源の普通交付税が段階的に減少していること、公共施設やインフラ施設の維持管理費用が増加していることなどを背景に、年々上昇している。
収入に対する借金返済の割合を表す「実質公債費比率」は8・8%で、0・1ポイント上昇した。新市発足以降09年度までは、地方債の発行に県知事の許可が必要な18%を超えていたが、16年度以降は8%台が続いている。
20年度の当初予算額は460億7千万円。しかし、新型コロナの感染拡大を受け、年度途中に多額の補正予算を次々に組む異例の年度となった。
歳入は571億4924万円で、前年度より115億4567万円増加。歳出は545億8142万円で、前年度より109億823万円増加した。
歳入では、国民1人当たり10万円の特別定額給付金事業をはじめ、新型コロナ対策の主な財源となった「国庫支出金」が154億6485万円。前年度より95億9050万円(163%)増と、大きく膨らんだ。
自主財源の中心となる「市税」は82億4770万円で、前年度より1億491万円(1・3%)減少。コロナ禍で法人市民税や入湯税が減収したことが影響した。
歳出を目的別に見ると、雇用維持奨励金などで「労働費」が前年度比278%増、特別定額給付金や市民への商品券配布などで「総務費」が130%増、事業者支援金やプレミアム付き商品券販売などで「商工費」が107%増―などとなっている。
性質別では、新庁舎整備の本格化や新斎場建設などの影響で「普通建設事業費」が前年度より23億8496万円(43%)増の79億1956万円となっている。
一方で、新型コロナの影響でさまざまなイベントなどが取りやめとなり、年度途中に減額補正した予算も1億4千万円余りに上った。
歳入歳出の差引額から翌年度に繰り越すべき財源を除いた実質収支は、21億3888万円の黒字だった。
【借金、貯金残高】
借金に当たる「市債」の残高は500億9913万円。このうち7割超が後に交付税に算入されるため、実質的な負担額は約126億円だという。
貯金に当たる「財政調整基金」「減債基金」の残高は計129億1091万円。当初予算と4月の臨時補正予算を組む際は計10億円余りを繰り入れて財源に充てていたが、後に国から新型コロナ対策の臨時交付金が入ったことから、最終的に取り崩さなかった。
【財政指標】
市税や地方交付税など市が自由に使える財源のうち、人件費など固定的に支出する経費の割合を示す「経常収支比率」は98・0%。前年度より0・2ポイント上昇し、財政の硬直化がやや進んだ。
15年度は88・8%だったが、市町村合併による特例措置が終了して主要財源の普通交付税が段階的に減少していること、公共施設やインフラ施設の維持管理費用が増加していることなどを背景に、年々上昇している。
収入に対する借金返済の割合を表す「実質公債費比率」は8・8%で、0・1ポイント上昇した。新市発足以降09年度までは、地方債の発行に県知事の許可が必要な18%を超えていたが、16年度以降は8%台が続いている。