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和歌山の地域課題解決へタッグ 地元と首都圏企業でビジネス

首都圏企業と協働で作ったビジネス案をオンラインで発表する濱田朝康さん(右奥)と堀将和さん(左奥)=7日、和歌山県田辺市役所で
首都圏企業と協働で作ったビジネス案をオンラインで発表する濱田朝康さん(右奥)と堀将和さん(左奥)=7日、和歌山県田辺市役所で
 和歌山県田辺市の事業者と首都圏の企業が連携し、地域課題を解決するビジネスに挑むプロジェクトの成果発表会が7日、オンラインであった。新商品の開発やマーケティングに取り組み、双方とも「新しい視点が得られた」と手応えをにじませた。


 日本能率協会マネジメントセンター(東京都)が主催する人材育成事業「ことこらぼオンライン」に、田辺市が協力した。地域や職種を超えて交流することで、多種多様な課題に対応する力を付けるのが目的。市の「たなべ未来創造塾」修了生2人と大手企業8社の12人が5月から3チームに分かれ、ビジネスプラン作りに取り組んできた。

 梅加工会社「濱田」(田辺市上芳養)の濱田朝康さん(43)と組んだ新商品開発チームは、廃棄される梅酒の梅を利用したドライフルーツを提案。梅酒の甘みを生かした素朴な味で、果肉感を重視した試作品を披露した。

 ドライフルーツ市場は右肩上がりで成長しており、今後も成長が見込めるという。コロナ下で外出制限があり、自宅で手軽に少しぜいたくな食品を楽しむ層の利用などを想定。オンラインでの販売を計画している。

 酒問屋「堀忠商店」(同市高雄2丁目)の堀将和さん(37)と組んだマーケティングチームは、堀忠商店が地元の「熊野米」を使用して開発した日本酒「交」の販売戦略を検討した。

 日本酒の銘柄は1万以上あり、「おいしい」「飲みやすい」だけでは差別化が難しい。そこで、堀忠商店のドングリを育てる活動に着目。販売した「交」1本につき、ドングリ1個を育てて熊野の山に植える。「『交』を飲めば熊野の力になれる」という付加価値を打ち出した。

 魅力を伝えるためサイトを更新し、今まで未着手だった会員制交流サイト(SNS)も活用して情報を発信する。

 発表を終えた濱田さんは「企業側はスピード感があって、応えるのが大変。梅業者の固定観念をいい感じで崩してくれた。地域を超えたつながりができ、心強い」、堀さんは「いい商品を作るだけでは売れないと実感。リサーチ能力の高さに驚かされた。SNSの必要性は感じていたので、踏み出すいいきっかけになった」と話した。

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