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国体中止「やりきれない」 紀南の出場予定者

国体の空手道に出場する予定だった熊野高校3年の釣本道稔君。気持ちを切り替えて練習に励む(26日、和歌山県上富田町岩田で)
国体の空手道に出場する予定だった熊野高校3年の釣本道稔君。気持ちを切り替えて練習に励む(26日、和歌山県上富田町岩田で)
 三重県で今秋開かれる予定だった国民体育大会の中止が25日に決まり、和歌山県代表で出場を予定していた紀南の高校生らから落胆の声が聞かれた。新型コロナウイルスの感染が拡大。練習の成果を発揮する場が、またしても奪われた。

 空手道では、熊野高校3年の釣本道稔君が少年男子組手、同校2年の玉置里佳さんが少年女子組手で、三重国体の出場が決まっていた。釣本君と玉置さんは、第1次選考会や近畿ブロック大会、最終選考会で結果を残して県代表に選ばれていた。

 釣本君は、高校卒業後は就職を希望している。9月3~5日にある県選手権大会(団体戦)が最後の大会になった。「高校最後に国体という大きな大会に出られると思っていたので悔しい。最後の大会は団体戦だけになったけど、悔いのないように戦いたい」と話し、26日も仲間と共に上富田町の岩田公民館で練習に励んでいた。

 熊野高校空手道部は、今夏の全国高校総体(インターハイ)では男女で団体戦に出場。男子は初戦の2回戦で御殿場西(静岡)に1―3で敗れたが、主将の釣本君が唯一の勝ち星を挙げた。宮地良斉顧問は「(釣本君は)インターハイで対戦相手に圧勝し、国体でも活躍すると思っていたので残念」と悔やんだ。

 田辺工業高校3年の瀬戸崇史君は、カヌースプリントの少年男子カナディアンシングル(C―1)に出場する予定だった。7月にあった国体の近畿ブロック大会で優勝し、本大会の出場権を得ていた。

 就職活動の合間に国体に向けて練習を重ねていたといい「目標を失ってやりきれない思い」とショックを受けた。カヌー競技はそのまま引退する。「高校から始めたカヌーを通じて、簡単に諦めずに自分で決めたことをやるようになった」と、前を向いた。

 カヌースプリントでは他に、国体の成年男子C―1で神島高校教諭の阪本直也さん(33)が出場する予定だった。

 田辺工業高3年の大家利公君は、三重国体陸上競技の少年男子5000メートル競歩に出場する予定だった。今夏のインターハイの同種目では7位。「インターハイの悔しさを国体で晴らせると思っていた」と話した。11月にある県高校駅伝にチームで出場するといい「これで的を一つに絞ることができたとプラスに捉えている」と、気持ちを切り替えた。

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