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感染拡大の中、迫る2学期 小中学校「今の対策徹底するしか」

2学期の開始を待つ教室(和歌山県田辺市内の小学校で)
2学期の開始を待つ教室(和歌山県田辺市内の小学校で)
 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、従来株よりも子どもの感染リスクが高いとされる変異株「デルタ株」への置き換えが進み、和歌山県内で10代以下の感染が増えている。2学期開始が9月1日に迫る中、学校関係者は「今の対策を徹底するしかない」と感染防止に頭を悩ませている。

 県内の新規感染者は17日以降、連日60人を超えている。うち10代以下が2~3割を占め、17日からの1週間で100人を超えた。多くは親などからの家庭内感染だが、今後は子どもが親より先に感染し、家庭内で広がるパターンも心配されている。

 紀南地方の小中学校は、従来の感染対策を徹底しながら新学期の通常授業を始める予定。田辺市教育委員会も「現時点で休校や分散登校は考えていない」と話す。希望する教員は夏休み中にワクチン接種を終えるなど、新学期に備えている。

 ただ、学校が始まれば子ども同士の接触機会が増える。紀南でも10代以下の感染者は出ており、学校関係者は「必ずどこかの学校で感染者は出る。学級閉鎖、学校閉鎖のような事態も起こりうる」と心配する。

 田辺市のある小学校長は「授業中は机に座って、一定の距離を保てる。ただ、休み時間、特に昼休みは接触が増える。感染防止には、休み時間をなくすのが一番効果的だが、実際には無理。特効薬はない。今までの対策を徹底するしかない」と話す。

 上富田町のある小学校長も「児童の健康状態をこまめに観察するように心掛け、何かあった場合の保護者への連絡体制を再度確認する。感染者が出た場合の対応はしっかり準備しているつもりだが、とにかく不安だ」と漏らす。

 各校とも行事はできる限り実施する方針。田辺市のある中学校長は「一体感が生まれる行事は大切にしたい。ただ、1週間先の状況さえ読めない。準備してきたのに前日に中止を決定する場合があることも伝えている」と明かす。

 運動会は昨年同様に、午前のみなどに短縮し、来場を制限すれば開催できるとみている。さらに感染が拡大した場合は、学年別など規模の分散も検討するという。

 難しいのは修学旅行だ。すでに4回延期している市内の中学校長は「こちらの感染状況だけでなく、行き先の状況にも左右される。ホテルやバスなどの調整も必要で、2学期の実施はますます難しくなる」とため息をついた。

 政府は短時間で感染の有無が判定できる「抗原検査キット」を幼小中に配布し、具合の悪くなった子どもの感染を早期発見する環境をつくるとしている。ただ、学校現場では「それより、具合が悪かったら休むこと。基本を再度徹底したい」と話している。

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