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流された集落の写真展示、熊野本宮館 紀伊半島大水害10年

写真展で展示している、水害で被災した奥番集落を記録した写真(21日、和歌山県田辺市本宮町で)
写真展で展示している、水害で被災した奥番集落を記録した写真(21日、和歌山県田辺市本宮町で)
 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館で21日、「流された村 奥番」と題した写真展が始まった。海南市在住の写真家、大上敬史さん(62)が本宮町の奥番集落などで撮影した写真90枚を展示している。9月12日まで。

 紀伊半島大水害から10年の節目に合わせて、災害の記憶を風化させないことを目的に写真展の実行会(大上敬史代表)が主催した。会場では、被災した奥番集落や自治会の解散式、村祭りの様子のほか、元区長の野下義計さん、美喜子さん夫妻を撮影した写真を並べている。大上さんは当時、田辺市に住んでおり、奥番出身の知人から依頼を受けて撮影したという。

 大上さんは「若い世代にも、改めて紀伊半島大水害の被害を知ってもらうことが大切だと思う。水害のことだけでなく、村がなくなったという事実や村人の痛み、限界集落の問題も写真展を通して伝えられたら」と話した。

 会場では、新型コロナウイルスの感染対策を徹底。熊野本宮館多目的ホールで22日午後1時半に予定しているオープニングイベントの講演と、9月4日の野下美喜子さんによる講演は、入場人数を50人に減らす予定。展示写真は、スライドショーにして動画投稿サイト「ユーチューブ」でも公開している。講演についても、撮影した動画をネット上で発信することを検討しているという。

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