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復旧の市道で開通式 大水害で被災の田辺市熊野

復旧した市道でテープカットをする、式典の出席者(和歌山県田辺市熊野で)
復旧した市道でテープカットをする、式典の出席者(和歌山県田辺市熊野で)
 2011年9月の紀伊半島大水害で寸断されていた市道が10年ぶりに復旧したことを受けて、市道が通る和歌山県田辺市熊野で21日に開通式典が開かれた。地元の区長や真砂充敏市長らが出席し、開通を祝った。

 市道は、同市の熊野と木守を結ぶ「市道木守杣谷線」。11年9月に熊野地区の集落上手にある山腹で深層崩壊が発生し、約526万立方メートルの土砂が流れ込み地区は甚大な被害を受けた。現場では砂防ダムの建設や斜面や護岸の整備などの復旧工事が進み、6月10日には市道が復旧して一般車両が通行できるようになっていた。

 式典では、真砂市長が「未曽有の災害を風化させず後世に語り継ぎ、災害に強いまちづくりを進めていくことが私たちの使命」と式辞を述べた。また、復旧工事を進めている国土交通省近畿地方整備局、紀伊山系砂防事務所(奈良県)の山本悟司所長が工事の経過を説明。その後、市道でテープカットをしたほか、出席者を乗せた車が開通した市道を走行した。

 熊野の岡田克哉区長(62)は取材に対し「道路が開通し、昨年には慰霊碑を建てることができたので、気持ちの区切りがついた。地域を盛り上げるため、もうひと頑張りしたい」と話した。木守区長の代理で出席した獣医師の井本清さん(79)は「復旧工事に関係した方、現場で汗を流してくれた皆さんを思うと感無量。開通式典を開くことができ、喜びを感じている」と語った。

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