ハマユウの花(和歌山県田辺市天神崎で)
和歌山県田辺市天神崎の海岸でハマユウ(浜木綿)が白い花を咲かせ、芳香を漂わせている。
ヒガンバナ科ハマオモト属の多年草。熱帯アジア原産で、日本では関東以西―沖縄の砂浜に自生している。花は夕方から開き始め、夜中に全開する。花が木綿に似ていることが名前の由来。肉厚の葉がオモト(万年青)に似ていることからハマオモトとも呼ばれている。
丸い実が海流で運ばれ、世界各地の海岸に分布を広げているが、最低気温氷点下3・5度が自生地の北限。分布地をつないだ線は、ハマオモト線と呼ばれている。
夏の季語で、万葉集で柿本人麻呂は「み熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へど直に逢わぬかも」と詠んでいる。