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働く女性の顔を作品に 羊毛フェルト作家の矢野さん

矢野玲子さんと作品。手にしているのは産直店で働く女性(和歌山県田辺市龍神村福井で)
矢野玲子さんと作品。手にしているのは産直店で働く女性(和歌山県田辺市龍神村福井で)
 和歌山県田辺市龍神村福井の羊毛フェルト作家、矢野玲子さん(36)は、梅農家など働く女性の顔をテーマにした「ワカヤマのお嫁さんシリーズ」の作品を作った。地元にある木工品や特産物を取り扱う店で販売している。


 矢野さんは2019年1月、龍神村にIターン。羊毛フェルトの作品を作って販売したり、イベントで教室を開いて指導したりしている。

 15年に北京に住んでいた時、服装や雰囲気が個性的だったタクシー運転者らを題材にした作品を会員制交流サイト(SNS)に投稿したところ、若者を中心に話題を集め、芸術イベントに出展したこともある。

 龍神村では、和歌山をPRできるような地域に根付いた作品に取り組む中、働く男性を題材にした作品に挑戦。職場環境や普段の生活の様子、年齢、家族構成といったキャラクター設定も含めた作品作りが難航して悩んでいたところ、昨年暮れ、その妻を取り上げようと思い付き、次々とイメージが湧いて創作が進んだ。

 2~3カ月かけて構想を練り、作品作りを開始。特定のモデルはなく、デッサンをせずに作った。作品は梅農家、林業、漁業、ミカン農家の妻と、産直店で働く女性の5点。大きさはいずれも約5センチで、ほほ笑んだ表情が柔らかい。

 林業家の妻は、夫婦で自分たちの山にログハウスを造ることを夢見ていたり、産直店で仕事をする女性は夫が単身赴任中だったりと、それぞれ細かい設定をしている。

 矢野さんは「男性も含めて、和歌山に多い職業に携わる人の顔を作っていきたい。目標は100人。他に、龍神村や紀南に伝わる昔話や伝説に登場する人物も作品にしてPRにつなげられたら」と話している。

 作品は、山を表現したという一部を緑色に塗った木箱入り。一つ7800円(税込み)。ピンで留められるようになっている。龍神村福井の木工館「ジー・ワークス」で販売している。

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