和歌山県田辺市新庄町の紀南病院前で、市内の飲食店が日替わりでキッチンカーを出店している。焼きたてのピザやハンバーグ、唐揚げなどを提供。医療従事者らにランチの楽しみを届けるとともに、コロナ禍で苦境の飲食業の盛り上げにつなげようとしている。


　新型コロナの影響で病院内のレストランが縮小した。職員や来院者のランチに困っていた病院が出店を呼び掛け、５店が応じた。月～金曜に毎回２店以上が出店している。一般の購入も可能。午前１１時～午後２時。

　出店しているのは「ＫＯＫＡＧＥ（コカゲ）」（上万呂）▽「Ｔｈｅ　ＣＵＥ（ザ　キュー」（湊）▽「ｈａｎａｂｅｅ（ハナビー）」（下万呂）▽「福福」（湊）▽「はつやま鮮魚店」（上秋津）。

　この洋食、エスニック、中華、など分野の異なる５店が、チーム「Ｆ．Ｅ．Ｓ　ｄｅ　キッチンカー」を結成。「食を通じて地域を盛り上げ、課題を解決していきたい」と意気込んでいる。

　ＫＯＫＡＧＥの林拓郎さん（３８）は「店でのランチと違い、持ち帰りのキッチンカーはスピード勝負。段取りも異なる。慣れるまで大変だが、面白い挑戦」、ＣＵＥの土井隆司さん（３１）は「店で待つだけでは出合えなかった客層とつながれる。市内外問わず積極的に出店したい」と試行錯誤しながら店の魅力をアピールしている。

　「Ｆ．Ｅ．Ｓ」は、Ｆｏｏｄ（食べ物）、Ｅｘｃｉｔｅｍｅｎｔ（盛り上げる）、Ｓｏｌｕｔｉｏｎ（解決する）の頭文字を取るとともに、Ｆｅｓｔｉｖａｌ（祭り）にも掛けた。

　林さんは「各店がそれぞれの武器を使って、お祭り騒ぎのように楽しみながら、みんなの笑顔をつくりたい」と話している。新たなメンバーも歓迎したいという。

　問い合わせはＫＯＫＡＧＥ（０７３９・２５・６３８９）へ。