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日本酒がよりフルーティーに 新しい「古道酵母」で限定品

新酵母を使った商品「太平洋~山廃純米無ろ過生原酒~」
新酵母を使った商品「太平洋~山廃純米無ろ過生原酒~」
 和歌山県工業技術センター(和歌山市)は、田辺市中辺路地域で採集した「古道酵母」を改良し、フルーティーな香りを高めた新「古道酵母」を開発した。すでに県内の酒造会社が商品化している。

 センターが2004~06年度にかけ、和歌山らしい酵母を探していたところ、世界遺産に登録されている熊野古道沿い、田辺市中辺路地域で清酒醸造に適した酵母を発見し、「古道酵母」と名付けた。

 センターは発見した古道酵母の改良を進め、19年度にリンゴのような香りの物質「カプロン酸エチル」を多く生産できる新しい古道酵母の「KODO.ec159株」と「KODO.ec162株」の開発に成功した。元の酵母に比べ、159株が8倍、162株が10倍のカプロン酸エチルを生産できる。昨年度、開発した酵母を県内の酒造会社などに分譲した。

 新宮市の尾﨑酒造はこのうち「162株」を用い、新商品「太平洋~山廃純米無ろ過生原酒~」を開発。500本限定で、県内と三重県の一部の酒販店で販売している。

 センターは「今後も、県内産業の力になるような技術の開発を進めたい」と話している。

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