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避難所の運営学ぶ みなべ町でリーダー養成研修

机上でのゲームを通じて避難所運営を体験する参加者(21日、和歌山県みなべ町東本庄で)
机上でのゲームを通じて避難所運営を体験する参加者(21日、和歌山県みなべ町東本庄で)
段ボール間仕切りや段ボールベッドの組み立て体験もあった
段ボール間仕切りや段ボールベッドの組み立て体験もあった
 和歌山県のみなべ町と町自主防災会連絡協議会は21日、同町東本庄の町保健福祉センターで、避難所運営リーダー養成研修を開いた。自主防災会の約60人が参加し、ゲームで疑似体験をするなど、感染症対策を含めた避難所の開設や運営について学んだ。

 同町での開催は2017年に続いて2回目。地域住民が避難所運営について理解を深め、大規模災害が起きた時に運営できるようにすることが目的。初めにあった講義では、一般社団法人ADI災害研究所(大阪市)の伊永勉理事長が「地域住民主体による避難所の開設・運営のポイント」のテーマで話した。

 伊永さんは、開設に当たっての事前対策や、開設作業手順などを説明。新型コロナウイルス対策では、靴底やドアノブ、手すりなどの消毒、換気対策、間仕切りの配置、レイアウト例などを紹介し「避難所の開設訓練をしてほしい。白杖をついたり、車いすに乗ったり押したり、段ボール間仕切りを組み立てたり、おんぶや抱き上げをしたり、ぜひ体験訓練をしてほしい」と呼び掛けた。

 講義に続き、大地震が発生し、学校が避難所になったと想定して「HUG(ハグ)」という、避難所運営の疑似体験ゲームをした。机上に置いた校舎や体育館の図面を使って、避難者や出来事の内容を書いたカードを読み上げて体験した。

 傷病者やペット連れの人、ひきこもり、妊婦、旅行中の人などさまざまな避難者が訪れ、「毛布が届いた」「校庭にテントを張りたい」「危険な場所を立ち入り禁止にする」「たばこはどこで吸えばいい」「炊き出し場を決めて」などといった、次々と起きる出来事や要請にどう対応するか、話し合いながら対応した。

 参加者からは「認知症の人の対応には近所の人の協力が必要」「どこに何を配置していくか難しく、考えないといけないと感じた」といった感想があった。

 自主防災会連絡協議会の西山博康会長は「トイレの問題は重要。各地区で段ボールやビニール袋を活用するなどし、災害時に使えるものを用意しておかなければいけないと思う。女性の力も大きいので、こういう場にも半数くらい女性の参加が欲しい」と話した。

 町総務課は、高齢者や障害者などにどういった配慮が必要か、食料や物資は事前に地域や家庭での備蓄が必要なこと、熊本地震で避難所運営がうまくいった事例などを説明し「大規模災害時は役場職員も人手が足りず、避難所運営は地域の力が重要」と呼び掛けた。

 講評で、伊永さんは「災害が起きて役所が手詰まりの時に、避難所を開けて何とか入れるところまで皆さんの手でしてほしい。皆さんが避難所を運営しなければいけないと思わなくてもよく、避難所は基本的に避難を余儀なくされている人が中心になって運営する。ボランティアや自主防災会など無事な人は後方支援をする立場に。体験訓練は少しでもよいので毎年継続してほしい」と助言した。

 町には、県から段ボール間仕切り約1万1千枚が配布されているといい、参加者は段ボール間仕切りや段ボールベッドの組み立ても体験した。

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