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観光×教育で誘客 白浜の宿泊施設が実証事業

ノートパソコンを使ってプログラミングなどを体験する子どもたち(和歌山県白浜町で)=ホテルシーモア提供
ノートパソコンを使ってプログラミングなどを体験する子どもたち(和歌山県白浜町で)=ホテルシーモア提供
 和歌山県白浜町内で宿泊施設を運営する「白浜館」はこのほど、先端技術を用いる教育事業を展開する企業などと連携し、モニターツアーを開いた。子どもは楽しみながら学び、親は自分の時間を楽しむ―。そんな旅先での過ごし方の模索が始まる。

 白浜館が運営する「ホテルシーモア」を会場にしたツアーは、誘客手段の多角化に向けた観光庁の実証事業に選ばれた。県外を含め、子どもと大人の計約50人が日帰り~2泊で参加した。仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を掛け合わせた「ワーケーション」に加えて、勉強(スタディー)を休暇と掛けた「スタディケーション」という言葉を使って参加を募った。

 子どもは、IT企業「グルーヴノーツ」(福岡県)の人工知能(AI)プログラミング教室を体験。子どもを預けた親は、その間、グループ別で船上から海釣りを楽しんだり、那智勝浦町へ日帰りバスツアーに参加したりした。シーモア内に滞在し、ヨガを体験する人もいたという。

 教室はプログラミング自体を学ぶのではなく、イラストのデザインやゲーム制作などの手段としてプログラミングがある内容。シーモアによると、参加した子どもたちは飽きることなく終始、楽しそうだった。そんな場所に子どもを預けられることで、親としても自分たちの時間を気兼ねなく過ごせたと好評だった。

 ツアー参加者にはアンケートを実施し、回答内容を今後に生かす。白浜館では「幅広い世代のそれぞれが楽しめる取り組み。例えば家族全員で観光する時間も、となれば連泊にもつながりやすい。地域全体に広まっていけばいい」と話している。

 グルーヴノーツの佐々木久美子会長は「家族の中でも『個』を大切にする考え方が社会に浸透していけばいい。そのためには大規模な開発は不要で、コンテンツに魅力があれば成立する」と話す。

 同社は福岡を拠点にテクノロジー教育事業「テックパーク」を展開する。今後も事業を通じ、子どもが情報通信技術に触れる機会をつくり、人材の育成につなげたいと考えている。

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