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熊野古道の新たな周遊ルート整備へ 熊野本宮観光協会

周遊ルートの整備を目指し、熊野古道の道普請に取り組む関係者(和歌山県田辺市本宮町で)
周遊ルートの整備を目指し、熊野古道の道普請に取り組む関係者(和歌山県田辺市本宮町で)
新たな周遊ルート地図
新たな周遊ルート地図
 和歌山県田辺市本宮町の熊野本宮観光協会(名渕敬会長)は、熊野古道を歩きながら、熊野本宮大社などがある本宮町の中心地と湯の峰温泉を巡ることができる新たな周遊ルートの整備に取り組み始めた。安全に通れるようにと関係者が道普請に取り掛かっており、今後、イベントに活用したり、案内看板を立てたりしてPRしていく予定だ。


 観光協会が計画しているのは、熊野古道「大日越」を含めて大日山(標高369メートル)の中腹や山裾などを通りながら、熊野本宮大社や湯の峰温泉などを巡るルート。旧社地・大斎原(おおゆのはら)から一周した距離は7キロほどという。

 観光協会などは昨年、世界遺産に登録されているにもかかわらず、近くにある大日山で地滑り対策工事が行われていた関係から長年紹介されてこなかった、本宮町本宮の「備﨑橋」近くから「大日山トンネル」の上を通って本宮町請川に至る約1キロの熊野古道で道普請を実施。案内看板も立てて「復活」させた。

 この熊野古道は大日山トンネルの上あたりで本宮町渡瀬や湯峯へ向かう道へと分岐。分岐したルートは現在、熊野古道として紹介されていないが、道の途中には湯峯の方向を指し示す石標も現存している。市教委文化振興課によると、請川方面から来た巡礼者がこの熊野古道を通って湯の峰温泉に行き、湯垢離(ゆごり)をした後、大日越などを通って熊野本宮大社に参拝した可能性も考えられるという。

 この古道を多くの人が歩けるようにしたいと、22日には観光協会の呼び掛けで、熊野本宮語り部の会や本宮行政局、県世界遺産センターから計約30人が参加して道普請。渡瀬までの約1キロで倒木を撤去したり、落石や落ち葉を取り除いたりした。

 観光協会の名渕会長(56)は「請川から湯の峰温泉まで行くための良い道が残っており、この道を通って湯の峰温泉へ行って本宮へ戻ってくるような周遊ルートとして整備したい。将来的には世界遺産への追加登録にもつながれば」と話していた。

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