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農業遺産の知識深めたい 南高生と和大生がオンライン学習

世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を学ぶオンラインカフェに参加した南部高校の生徒(和歌山県みなべ町芝で)
世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を学ぶオンラインカフェに参加した南部高校の生徒(和歌山県みなべ町芝で)
 世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を次世代に引き継ごうという「まちキャンパスプロジェクト」で、オンラインを利用しての学習や交流の取り組みが始まった。和歌山県みなべ町の南部高校の生徒や和歌山大学の学生が参加。来年3月まで計6回の計画で、講師から世界農業遺産について学び、地域の振興を考える。他の世界農業遺産認定地域との交流も考えている。

 プロジェクトは、同町の梅農家、上野章さん(49)がリーダーとなって昨年から始まり、新型コロナウイルスの影響を受けながらも続けてきた。これまで和大生がオンラインで、梅の収穫の様子を見たり、農家の話を聞いたり、また実際に和大生や南高生が、梅や備長炭の生産現場を訪れたり、広葉樹の植樹活動などをしたりもした。

 コロナ禍でも学習できるようにと、今回「オンラインカフェ」と名付けて学習、交流しようと企画した。大学准教授や「梅システムマイスター」、製炭士を講師に農業遺産について学び、活用を考える。

 初回の17日には、南高生や和大生、関係する大学教授やスタッフがインターネットを通じて自己紹介し合った。みなべ町高城中学校教諭も出席し、同校では総合的学習で世界農業遺産を含めた地域学習をしており、今後、生徒が参加する意向を示した。

 上野さんは「住民が梅システムの内容を知っている町、子どもたちも、地域外の人に町のことをガイドできるような町になればいいなと思い、プロジェクトを始めた。どんどん広がり、発信できるまちづくりになれば」と語った。

 和大観光学部1回生は、世界農業遺産を次世代に伝えようと活動していくグループを学内で立ち上げたこと、宮崎県の世界農業遺産「高千穂郷・椎葉山地域」と縁があり、宮崎県の中高生とも交流、意見交換の場をつくりたいと考えていることを説明し「地域の皆さんと交流し、学びを深め、みなべ町に貢献できる活動をしていければ」と話した。

 南部高校からは1年生で異文化交流部の上野拓海君、沼野竜久君、小山陽登君、前田涼介君の4人が参加。こうしたオンラインでの会議に参加するのは初めてといい、少し緊張した様子だったが、趣味や町の良さなどを紹介した。

 沼野君は「もっとみなべの農業が世界の人に知られるようになってほしい。自分ももっと知識を深めたい」と語った。同部顧問の種治宏樹教諭(43)は「生徒たちは植樹など体験はしたが、まだまだ梅システムと結び付いていないと思うので、知識を学び、理解を深められれば。私も生徒と一緒に学びたい」と語った。

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