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健やかな成長祈り薪奉納 熊野本宮大社で御竈木神事

熊野本宮大社の御竈木神事で薪を奉納する中学生(10日午前6時52分、和歌山県田辺市本宮町で)
熊野本宮大社の御竈木神事で薪を奉納する中学生(10日午前6時52分、和歌山県田辺市本宮町で)
 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で10日、薪(まき)を奉納して子どもの健やかな成長を祈る「御竈木(みかまぎ)神事」が営まれた。平安時代に始まったとされる神事だが、今年奉納した子どもは1人だけだった。

 15歳までの氏子の男子が、まだ夜が明け切らないうちから本宮大社を訪れ、供え物の煮炊きに使う薪を奉納するという神事。平安時代の清和天皇の時代に始まったとされ、県の無形民俗文化財に指定されている。

 この日は午前6時50分ごろ、本宮中学校3年の小野莞都君(15)が薪を持参して奉納。今年が最後で「保育園児の頃から十数年続けてこられて良かった。ずっと薪を作ってくれたおじいちゃんに感謝したい」。母の由紀さん(44)も「おかげで大きな病気やけがもなく、元気に育ってくれた」と笑顔を見せた。

 本宮大社によると、昨年の奉納は4人。減少傾向が続いており、九鬼宮司は「昔は50人ほどが奉納したこともあったが、少子化の中でだんだん減ってきた。歴史のある神事であり、あらためて重要性を知っていただけるよう、氏子の方々に呼び掛けていきたい」と話していた。

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