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イノシシとシカの捕獲強化 国のキャンペーン受け和歌山県

和歌山県の野生鳥獣による農作物被害額推移
和歌山県の野生鳥獣による農作物被害額推移
 「2013年度を基準にイノシシ、ニホンジカの個体数を23年度までに半減させる」ことを目標に掲げる国は本年度、狩猟期間(11月~)を鳥獣被害防止に向けた集中捕獲キャンペーンと位置付け、全国的に捕獲を促す。これを受け和歌山県は、捕獲強化エリアを設定し、一層の捕獲に取り組む。6日には都道府県初となる捕獲キャンペーンの決起集会を田辺市で開く。

 野生鳥獣による全国の農作物被害額は18年度で158億円。イノシシ、ニホンジカによる被害が和歌山県と同様に64%を占める。近年、イノシシ、ニホンジカの捕獲匹数は年間計120万匹程度で横ばいにとどまっている。

 一方、県の野生鳥獣による農作物被害額は減少傾向にあるが、19年度の被害額は約3億600万円で依然3億円を超えて推移している。

 県は営農意欲の減退、耕作放棄や離農の増加など、数字に表れる以上の深刻な影響をもたらす鳥獣被害を食い止めようと、08年度以降、国や県独自の取り組みを強化している。

 捕獲報奨金の増額補助をはじめ、狩猟期間の延長、ニホンジカの夜間銃猟、狩猟者の育成、防護柵設置支援、ジビエ(狩猟肉)の活用のほか、17年度からの5年間はイノシシ、ニホンジカの捕獲目標をそれぞれ年間1万7千匹に設定している。

 これらの取り組みにより、捕獲匹数は増加傾向にある。19年度の捕獲匹数はイノシシ1万9820匹、ニホンジカ1万6347匹だった。

 国のキャンペーンでは、各都道府県で捕獲目標と捕獲強化エリアを設定させ、イノシシとニホンジカで年間計140万匹の捕獲を目指す。期間中の捕獲経費は各都道府県に対して別枠予算で支援する。

 県内の捕獲強化エリアに設定されたのは、イノシシは県内全域、ニホンジカは和歌山市と岩出市を除く県内全域。県のイノシシ、ニホンジカの狩猟期間は11月1日~3月15日。

 「鳥獣被害防止に向けた集中捕獲キャンペーン」と銘打つ県決起集会は6日、田辺市扇ケ浜の市立武道館で開かれる。県猟友会主催、県と田辺市の共催。県猟友会員や田辺市鳥獣被害対策実施隊員らが参加する。

 県担当者は「決起集会を機に県猟友会の皆さんの士気が一層上がり、農作物被害軽減のための捕獲の強化につながれば」と話している。

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