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アカウミガメの産卵やや回復 みなべ町の千里の浜

みなべウミガメ研究班が教材用に高感度カメラで撮影したアカウミガメの産卵の様子(7月13日、和歌山県みなべ町山内で)
みなべウミガメ研究班が教材用に高感度カメラで撮影したアカウミガメの産卵の様子(7月13日、和歌山県みなべ町山内で)
 NPO日本ウミガメ協議会は、和歌山県みなべ町山内の千里の浜における今年のアカウミガメ上陸・産卵状況をまとめた。上陸回数は137回、産卵回数は63回。産卵回数は過去3番目に少なかった昨年の47回を上回り、過去2年間減少傾向にあったところから持ち直した。松沢慶将会長は「一安心だが、中長期的に注視しなければいけない」と話す。

 千里の浜は本州有数のアカウミガメの産卵地で、毎年5月から8月にかけて上陸・産卵がある。日本ウミガメ協議会やみなべウミガメ研究班などが協力し、調査・保護活動に取り組んでいる。

 協議会によると、今年の初確認は上陸が5月25日、産卵が6月1日。月別でみると、5月が上陸3回・産卵0回、6月が上陸37回・産卵17回、7月が上陸68回・産卵36回、8月が上陸29回・産卵10回だった。最も産卵が多かった日は7月23日で、上陸6回で産卵4回だった。

 近年では、2012年が上陸728回、産卵293回と多かったが、それ以降は減少傾向で、18年が上陸162回、産卵59回、19年が上陸96回、産卵47回と少なかった。今年は昨年と比べ、上陸回数が約1・4倍、産卵回数が約1・3倍と回復した。

 松沢会長は「昨年まで2年連続減少し、心配していたが、少し持ち直した。十分な数とはいえず、中長期的にみて今後どうなるか注視しなければいけない」と話す。

 今年の特徴として、7月の長雨の影響で沿岸の表面水温が例年より低く、産卵したウミガメが次に産卵するまでの間隔が長く空く例が多かった。産卵からふ化までの日数も例年より長かったという。

 8月以降高温が続いており、砂の中でふ化を待つ卵が死なないか心配もあるといい、松沢会長は「変動の激しくない、穏やかな気候になることを願う」とも語った。

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