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ジオの紙芝居を手作り ガイドの会「魅力を分かりやすく」

紙芝居でジオパークを紹介する南紀熊野ジオパークガイドの会の上野一夫会長(和歌山県串本町で)
紙芝居でジオパークを紹介する南紀熊野ジオパークガイドの会の上野一夫会長(和歌山県串本町で)
手作りの紙芝居「ジオうさちゃん教えて 付加体ってなに」
手作りの紙芝居「ジオうさちゃん教えて 付加体ってなに」
 「南紀熊野ジオパークガイドの会」の上野一夫会長(72)=和歌山県串本町中湊=は、紀南の貴重な地質遺産「南紀熊野ジオパーク」の魅力を分かりやすく紹介しようと、紙芝居を手作りした。串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターで活用する。

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、ツアー客を案内する活動が少なくなり、今後に役立てられたらと会員のガイドらが案内資料を作ったり、ツアー企画を考えたりしている。

 南紀熊野ジオパークは、海のプレートと陸のプレートが出合って生まれた三つの大地(付加体、前弧海盆堆積体、火成岩体)が特徴だが、上野会長は「言葉だけでは分かりにくい。絵や図を示しながら説明できれば」と紙芝居作りを思い立った。

 タイトルは「ジオうさちゃん教えて 付加体ってなに」。ウサギのキャラクター「ジオうさちゃん」が案内役となり、日本列島の誕生から始まり、和歌山県の地層▽沖を震源とした地震の特徴▽地質の見どころである「和深海岸」と「すさみのフェニックス褶曲(しゅうきょく)」▽海岸段丘での暮らし(水の確保に苦労し、耕作地が少ない)▽ジオパーク内での暮らし(古座川の河内祭、大島の水門祭)―などについて紹介する内容。

 A3サイズの画用紙を13枚使い、絵や図は水彩色鉛筆で手描き。説明文は地質などの書物を参考にしながら考えた。上野会長は、洋服仕立職人としてファッションのデザイン画の経験があったが、絵や図を描くのは何十年ぶり。「絵や図だけでも1カ月ほどかかった。苦労したが、自分自身にとっても良い勉強になった」と話す。

 紙芝居はこの後、ラミネート加工し、13枚をリングで留めて仕上げる。

 完成すれば南紀熊野ジオパークセンターに置き、来場者に説明するために活用するという。上野会長は「付加体など三つの地質体を理解するのはなかなか難しい。しかし、分かればもっと興味を持ってもらえると思う。魅力をしっかり伝えたい」と話している。

■館内では交代で案内

 南紀熊野ジオパークの会員は現在、89人。そのうち25人が交代で1日当たり2、3人ずつ出て、ジオパークセンター内で案内している。

 今年の盆休み期間(8~16日)の来場者数は2509人。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、オープンしたばかりの昨年同期の3分の2ほどに減った。

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