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人工知能で緑地帯を草刈り 南紀白浜空港が実証実験

カメラを付けた手押し車で緑地帯を撮影して回る関係者(和歌山県白浜町の南紀白浜空港で)
カメラを付けた手押し車で緑地帯を撮影して回る関係者(和歌山県白浜町の南紀白浜空港で)
 和歌山県白浜町の南紀白浜空港を運営する南紀白浜エアポートは、民間企業と連携し、人工知能(AI)を使った空港内緑地帯の草刈り作業の自動化に向けた取り組みを始めた。画像認識技術を使うことで、従来の作業で起こり得る課題を乗り越えようとしている。

 エアポート社は5月、コンピューターによる機械学習(ディープ・ラーニング)技術を応用したサービスを手掛ける「センスタイムジャパン」(京都市)と、草刈りの自動化に向けた覚書を交わした。白浜空港の緑地帯を舞台に、実証実験をするという。

 空港用の新たな技術開発に向け、センスタイム社は現在、カメラを4台取り付けた手押し車で緑地帯をくまなく撮影している。大量の画像を機械に学習させて標識や灯火設備など空港特有の施設も認識させることで、実用化を目指す。

 センスタイム社は技術開発と並行し、草刈り機メーカーへの技術提供に向けた取り組みも進めたいと考えている。担当者は「空港だけでなく、ゴルフ場や公園もあり、需要はあると考えている」と話す。

 航空機のオーバーランなどに備え、滑走路周辺の緩衝エリアは原則、植生帯で整備することになっている。エアポート社によると、白浜空港の敷地面積は約73万平方メートルで、緑地帯はこのうち約38%に当たる27万5千平方メートルある。

 白浜空港では業者に委託する形で年に2度作業しており、各1カ月前後はかかるという。作業は深夜など航空機の離着陸がない時間帯に限定されることもあり、作業員の確保や空港内施設の破損の恐れが課題という。

 エアポート社では以前から、施設の維持管理に情報通信技術(ICT)や、あらゆる機器を通信でつなぐモノのインターネット(IoT)を使い、効率化を図っている。
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