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アユのトントン釣り始まる  古座川の名勝「滝の拝」

滝の拝でアユの「トントン釣り」をする地元の漁協組合員(和歌山県古座川町小川で)
滝の拝でアユの「トントン釣り」をする地元の漁協組合員(和歌山県古座川町小川で)
 アユ漁が解禁された和歌山県古座川町小川にある県の名勝・天然記念物「滝の拝」で、古座川漁協の組合員が、針と重りだけを使ってアユを引っ掛ける地元特有の「トントン釣り」をしている。

 トントン釣りは、魚道や滝を上ろうと滝つぼ近くに集まったアユを、さおを上下させて針で引っ掛ける漁法。川底に重りが「トン、トン」と当たる音からこの名前が付けられた。少し水が濁った日の方が、アユから針が見えにくくなるために釣れやすいという。

 古座川支流の小川にある滝の拝でのトントン釣りは、滝の拝橋から下流が6月1日、橋から上流の滝までは、アユの遡上(そじょう)を促すため同16日に毎年解禁されている。足場が悪く、釣れる場所が限られているため、釣れるのは組合員だけと決まっている。

 連日の雨で水量が多かった20日は、水が少し濁っており、10人以上の組合員が釣り糸を垂らしていた。午前8時~10時の約2時間で12~18センチのアユを6匹釣り上げた谷口清さん(89)=古座川町小川=は「数は去年と同じくらい。まだ小さいし、少ない」と話した。

 古座川漁協の大屋敏治組合長(63)によると、友釣りでは滝の拝の奧の川で20センチ級のアユを20匹釣った人がいたという。同漁協の田上智士理事は(56)は「本流では50匹、佐本川でも48匹釣った人がいた。去年よりは確実に数は多い」と話した。

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