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相乗効果で消費拡大 移動手段と割引サービスを一体化

実証実験に使った小型電気自動車。周遊性の向上に効果があると町は評価している(2月撮影)
実証実験に使った小型電気自動車。周遊性の向上に効果があると町は評価している(2月撮影)
 和歌山県白浜町は、小型電気自動車などを用いて2月に実施した実証実験の結果をまとめた。小回りが利く移動手段と、複数の店舗で割引が受けられるサービスを一体化すれば、周遊性が高まり、消費の機会を増やせると評価している。今後、課題を検証して事業性を見極めるという。

■ 「事業性見極める」

 町と、町ITビジネスオフィスに拠点を置く「NECソリューションイノベータ」(本社・東京都)との事業。実験は、南紀白浜観光局に業務を委託して2月17~29日に実施した。県外を含め10~70代の男女88人が参加し、アンケートに答えた。

 実験では、2人乗り電気自動車4台(1台は予備)と電動アシスト付き自転車2台、普通の自転車2台を使用。参加者には、料金割引やサービスが受けられるクーポンが付いている観光局の「まち歩きマップ」を配り、周遊ルートや観光情報を確認できるスマートフォンを貸し出した。走行データを分析するため、衛星利用測位システム(GPS)機器も付けてもらった。

 その結果、周遊の平均数は6・4カ所だった。単純には比較できないが、2017年3月に観光局が観光動態調査した際の「1・48カ所」より多かった。回った場所が増えた理由に「移動手段」か「特典(まち歩きマップ)」を挙げた回答者が全体の8割に達した。町は「組み合わせることで相乗効果を発揮した」と分析している。

 町などは今後、事業化に向けてまち歩きマップの内容やスマホで見られる情報(アプリ)といった特典サービスの充実を検討する。自動車を有償で貸し出すにはレンタカー業の許可を取る必要があるほか、貸し出す前に実施する安全運転講習の場所の確保も課題になるという。

 加えて新型コロナウイルスの影響もあり、今後の具体的な見通しは立っていない。

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