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コロナ危機 私たちにできること/(3)/クオリティソフト社長 浦 聖治さん(67)/「仕事」考える機会に

うら きよはる 1984年、東京都で翻訳サービス会社を設立。ソフトウエア開発会社に転じ、2016年12月、白浜町中に本社を移転した。現社屋では社員食堂やセミナー室を一般開放するなど地域の交流の場を設けている。
うら きよはる 1984年、東京都で翻訳サービス会社を設立。ソフトウエア開発会社に転じ、2016年12月、白浜町中に本社を移転した。現社屋では社員食堂やセミナー室を一般開放するなど地域の交流の場を設けている。
 ――国はテレワークの推進を求めています。

 2017年にテレワークの社内規定を策定し、国が全国の団体に一斉実施を呼び掛ける「テレワーク・デイズ」に18年から全社で取り組んできました。政府の緊急事態宣言が出る前から東京、大阪などの各支社でテレワークを進め、開発部門が中心の白浜本社では現在2、3割の社員が出社していますが、今後の状況によって完全テレワークを想定しています。以前からペーパーレス化を進めてきたのでスムーズに移行することができています。

 ――テレワークの利点と課題は何ですか。

 ウェブ会議やチャットで社員とコミュニケーションを取っています。入社式も新入社員と数人の社員以外の約150人がウェブ会議で参加しました。テレワークで生産性が落ちては全く意味がありません。うちでは在宅勤務によって仕事の効率が上がったという声が多く、かえって社員が成果を出そうとしています。

 課題は、社内のネット環境整備やセキュリティー強化、完全なペーパーレス化、社員の管理の問題などです。

 最も重要なのはコミュニケーションです。チャットでも緊急時のやりとりには不安があります。メールは気持ちが伝わらないので逆効果。あたかも一緒に仕事をしているという疑似的空間をつくり「おはようございます」のあいさつや雑談など自発的なコミュニケーションが大切です。

 ――地域の企業がテレワークを進めるために必要なことは。

 ウェブ会議は思っているより簡単に導入できるのでぜひ活用を。テレワークを進める鍵はペーパーレス化。勤怠管理や承認手続きも電子化できます。今回のように人と会うのが難しい状況ではITが助けになります。一朝一夕にはいきませんが段階的に進めてもらいたいです。

 ――テレワークに移行して気付いたことは。

 「仕事とは何なのか」を見直すチャンスと捉えています。新型コロナウイルスが終息してもテレワークは標準化されます。地域の企業のお手伝いができればと思います。
(聞き手は保富一成)

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