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AIで滑走路点検 白浜空港、ドラレコ画像を診断

車両のフロントガラスに設置したドライブレコーダーで滑走路上を撮影する(白浜町の南紀白浜空港で)
車両のフロントガラスに設置したドライブレコーダーで滑走路上を撮影する(白浜町の南紀白浜空港で)
ドライブレコーダーの画像。中央下の小さい四角は、ひび割れを検知したことを意味している(NEC提供)
ドライブレコーダーの画像。中央下の小さい四角は、ひび割れを検知したことを意味している(NEC提供)
 南紀白浜空港(白浜町)を運営する南紀白浜エアポートは、NEC(東京都)と連携し、滑走路の点検にドライブレコーダーの画像を用いる実証実験を本格的に始める。人工知能(AI)が画像を診断、評価する。実験は年末をめどにデータを蓄積した上で実用化を目指す。


 施設の維持管理に、情報通信技術(ICT)や、あらゆる機器を通信でつなぐモノのインターネット(IoT)を積極的に取り入れようというエアポート社の取り組み。空港の中核となる滑走路の点検は職員による目視が一般的で、今回の取り組みは全国的にも珍しいという。

 エアポート社とNECは3月30日、実証実験を本格的に始めるにあたり、覚書を結んだ。

 滑走路に不備がないか調べる「ランウェイ・チェック」で使う車両にドライブレコーダーを設置。走行時の画像データからAIで路面のひび割れを検知するほか、起伏がないかも確認する。データがたまれば、劣化の進行具合も判定できるようになるという。

 エアポート社は「目視による見落としの可能性を補え、業務の効率化も図れる」と期待している。

 NECは同様の仕組みを自治体の道路管理業務でも使えないか以前から検討している。NECによると、静岡県藤枝市との実証実験では、市側から「一定の効果が認められる」と評価されたという。

 白浜空港でのデータ収集は昨年9月に始めていた。NECによると、当初は飛行機のタイヤ痕やグルービング(安全溝)といった滑走路特有の状態を誤検知することがあったが、AIに学習させることで対応できるようになった。

 白浜空港では、オリエンタルコンサルタンツ(東京都)のグループ会社の巡回点検支援システムを導入しているほか、進入灯橋の点検にドローンを使うなど、施設の維持管理の効率化を図っている。

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