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全町民に3千円分の商品券 新型コロナで那智勝浦町が経済対策

新型コロナで独自の経済対策を打ち出す和歌山県那智勝浦町(那智山で)
新型コロナで独自の経済対策を打ち出す和歌山県那智勝浦町(那智山で)
 和歌山県那智勝浦町は23日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急の経済対策として、全町民に町内で使用できる3千円分の商品券を配ることを決めた。町の主要産業である観光業で宿泊施設のキャンセルが相次ぐなど地域経済が疲弊しているとして、町独自の対策に乗り出す。

 町は同日、緊急経済対策と観光誘客対策を盛り込んだ2020年度の一般会計補正予算案を町議会3月定例会の最終日に提案し、可決された。

 町観光企画課によると、町内の主な宿泊施設でのキャンセルは今年1、2月で計約1万7千人分に上った。それに伴い、宿泊の関連業者などにも大きな影響が出ている。

 商品券は、新型コロナウイルスによって所得が減少した人を支援しながら、地元での消費の活性化を図ることが目的で、早ければ4月下旬にも全町民(約1万5千人)に一人3千円分の商品券を配る。商品券は、大規模事業者やフランチャイズを除いた小売店などで使うことができるようにする予定。

 また、感染拡大の終息後すぐに効果が出る誘客対策に取り組むとして、20人以上の乗客がおり町内で宿泊するという条件で大型バス1台に5万円の補助を出す。さらに、2千円分の商品券と3千円分の宿泊クーポンのセットを町内への観光客にプレゼントする取り組みも計画している。

 補正予算の規模は9711万円で、財源は地方交付税を見込んでいる。

 同課は「まず商品券によって、疲弊している地域経済の活性化を少しでも図りたい。観光誘客対策を実施するタイミングについては、国の状況を見ながら考えたい」と話している。

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