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湯治文化を未来へ 長期滞在に対応、和歌山県白浜町椿の旅館

自炊室で調理をする湯治客(和歌山県白浜町椿で)
自炊室で調理をする湯治客(和歌山県白浜町椿で)
 和歌山県白浜町椿にある「湯治のできる宿 しらさぎ」は、椿温泉の湯治文化を未来へ残そうと、宿泊客が長期滞在して心身を療養できるよう施設を改修している。

 同旅館は、若い世代への情報発信に力を入れている。以前から館内を、湯治しながら仕事ができる「湯治ワーケーション」用に改装しているが、今回は4階の自炊室にも無線通信「Wi―Fi(ワイファイ)」を設置。机、いす、食器なども新しくした。地域住民と湯治客の交流の場になることも期待している。

■「心身癒やして」
女将の熊野さん

 旅館女将(おかみ)の熊野幸代さんによると、全国的に「自炊湯治」ができる宿が減っていることから、原点に返る意味も込めて改修を進めている。湯治客は、体の痛みの治療などを目的にした高齢者が多いが、同旅館は、ストレスや悩みを抱えた若い人たちにも効果もあることを訴えている。

 3月には、仕事を辞め、次の就職先までの空いた時間を使って訪れた2人の女性が初めての「自炊湯治」を体験していた。

 5泊した東京都の30代会社員は「湯治を経験してみたいとずっと考えていた。(自炊湯治は)自分のペースで自分の好きなものを食べることができるところが良かった。ここに来て友達もできた。また来ます」と話した。

 6泊した三重県50代看護師は「悪かった腰の調子が良くなった。いい旅館が見つけられて良かった。最高でした」と笑顔で語った。

 熊野さんは「薬を使わず心と体を元気にしていく湯治は見直されている。ほとんどのお客さまが、旅館に着いた時とは明らかに違う表情になって帰っていく。ぜひ湯治の効果を実感してもらいたい」と話した。

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