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【動画】打ち上げの痕跡に感動 発射場見学ツアーに170人、和歌山県串本のロケット

 昨年12月にロケット「カイロス」2号機を打ち上げた民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」(和歌山県串本町田原)で12日、見学ツアーが初めて開かれた。県内外から宇宙ファンら約170人が参加し、普段は立ち入りできない射点などを間近で見学。打ち上げの痕跡に感動した様子だった。

 串本町にオフィスを構えるコンサルティング企業「USPジャパン」(本社・東京都)が、ロケットや紀南の地域資源を満喫してもらおうと、日帰りと1泊2日のツアーを企画。日帰りツアーは販売開始から30分で完売した。1泊2日のツアーも募集を締め切っている。

 12日は串本、那智勝浦町内を出発地とする日帰りツアー。4月1日にオープンする「宇宙ふれあいホールSora―Miru(ソラミル)」(串本町西向)を先行見学し、宇宙やロケットへの理解を深めた。

 スペースポート紀伊では一般初公開の射点にバスで向かい、ロケットの組み立てや点検を行う「ロケット組立棟」を見学した。打ち上げの煙を外に逃がす「煙道」では、打ち上げ時の高温で黒く焦げたコンクリート壁にも触れ、痕跡を間近に感じていた。

 海南市から訪れた30代女性は「これまで(延期も含めて)5回打ち上げを見に来ていて、射点に来たいと思っていた。組立棟が見られて感動した。次は組み立て足場が動くところも見てみたい。ロケットのミッションが成功するまで応援したい」と語った。

 これまで4回、カイロスの打ち上げを見に来たという静岡県三島市の50代男性は「一番興味を持っていた煙道を見ることができ、ものすごく良いツアーだった。3号機の打ち上げも見に来たい」と笑顔を見せた。

 USPジャパンの新津研一社長は「打ち上げの雰囲気が特に煙道では残っており、焦げている様子などにものすごく興奮していただけた。ソラミルでしっかり予習し、より深く理解が進んだと思う。今回のツアーを関係者で検証し、何度もやることを目指して調整していきたい」と話した。

 1泊2日のツアーは15、16日に開催する。新大阪駅や和歌山駅などから出発し、発射場やソラミルの見学に加え、モデルロケット打ち上げ体験や補陀洛山寺(那智勝浦町)での打ち上げ祈祷(きとう)会、地元の食材を使った食事などを予定している。USPジャパンによると46人が参加する予定。
射点前で記念撮影をする参加者(和歌山県串本町田原で)
射点前で記念撮影をする参加者(和歌山県串本町田原で)
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