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ふ化直後の幼生展示 アメリカカブトガニ、和歌山県すさみの水族館

アメリカカブトガニの展示スペース(和歌山県すさみ町江住で)
アメリカカブトガニの展示スペース(和歌山県すさみ町江住で)
ふ化直後のアメリカカブトガニ
ふ化直後のアメリカカブトガニ
 和歌山県すさみ町江住の町立エビとカニの水族館は、生きている化石といわれるアメリカカブトガニのふ化直後の幼生(体長約3ミリ)を展示している。繁殖の成功は約5年ぶり。平井厚志館長は「アメリカカブトガニの幼生の展示は全国でここだけ。形が三葉虫に似ており、この機会に見てほしい」と来場を呼びかけている。

 同水族館では20年以上前から、アメリカカブトガニを常設展示している。これまで産卵は数回あり、2020年1月に初めてふ化を確認した。その後、安定した繁殖を行うため、試行錯誤を繰り返してきた。今回、昨年11月13日に産卵、12月19日に5年ぶりのふ化を確認した。

 展示スペースでは、幼生と卵を3基の小型水槽で展示している。それとは別に、顕微鏡で撮影した卵の中で動く様子やふ化する瞬間をモニターで見ることもできる。

 アメリカカブトガニは全国の水族館で飼育されているが、繁殖例は非常に少ない。このため、ふ化直後の幼生を観察できる機会はほとんどないという。

【アメリカカブトガニ】
世界で確認されているカブトガニの仲間4種のうち唯一、大西洋に生息している。一部の地域では卵が渡り鳥の重要な餌になっている。血液は医療分野で利用されている。10年前後で成熟し、20年ほど生きると考えられている。

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