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『光る君へ』岸谷五朗“生きて完走”に感慨「大概の大河ドラマって…」

大河ドラマ『光る君へ』の場面カット(C)NHK
大河ドラマ『光る君へ』の場面カット(C)NHK
 大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜 後8:00 NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、藤原為時を演じた岸谷五朗の声を紹介する。

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――藤原為時を演じきって

大概の大河ドラマって、先に亡くなってクランクアップっていうのが、やっぱり歴史上の人物なので多いんですけど、まだ生きているうちに終わるというのは初めてで、だからきょうアップした藤原為時の家、やっぱりはじめは…なんていうんでしょうか。うまくあの家を歩けなかったんですよね。

足が汚れるとか、ギシギシいうとか、いろいろなことがあったんですけど、今はもう何も気にせず、どこにもぶつからず歩いていけるという状況で、これがやっぱり住む家が舞台になっている一つの良さというか、実感というか。今なら二泊三日くらいできそうですね(笑)。今は本当に愛着のある家になりました。

それでやっぱり「この場所であのシーンがあったな」とかいう思い出が、まるで本当の人生のように長いスパンで撮影していると本当にありますね。「あぁここで小さい頃のまひろとこんなことあったな」とか、「こんなふうに怒ったな」とか、それは惟規もそうですけど、まだ太郎のころの惟規の思い出とか、そんなのがよみがえってきて、本当に生きているようでした。

――『光る君へ』の藤原為時の人生

家族の別れということでいうと、為時というお父さんはかわいそうだったなという。先に惟規を失い、ちやはを失い、まひろだけは生きていますけど、歴史上でいうとまひろのほうが先に亡くなっているかもしれない。紫式部のほうがっていうことで、一人残された為時さんっていうのは、そういう意味ではちょっとかわいそうだなという。家族全員の死を体験して死んでいった。出家をしたこともそうですけど、官人には向いていなかったし、文学を愛して生きていく方法はいろいろあったでしょうが、この平安という時代においていうと、為時の人生は少しかわいそうだったかなとは思いますね。この時代にはとてもそぐっていなかった男なんだなって。

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