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INI許豊凡&田島将吾、“世界的アーティスト”カイリー・ミノーグと初対談【インタビュー全文掲載】

初対談を果たした(左から)許豊凡、カイリー・ミノーグ、田島将吾(C)LAPONE Entertainment
初対談を果たした(左から)許豊凡、カイリー・ミノーグ、田島将吾(C)LAPONE Entertainment
 11人組グローバルボーイズグループ・INIの許豊凡と田島将吾が、世界的ポップアイコンであるカイリー・ミノーグと初対談した。

【写真】カイリー・ミノーグを前に…少し緊張気味の許豊凡&田島将吾

 カイリー・ミノーグは1987年に「ロコモーション」でデビューして以来、1980年代から2020年代の5つの年代すべてにおいて、全英アルバムチャート1位を獲得した最初のソロアーティスト。世界中で8000万枚以上のレコードセールスを上げ、累計50億回を超えるストリーミング再生を誇る。

 カイリーは、10月18日にアルバム『TensionII』をリリース。アルバムを引っ提げてのワールドツアー『Tension Tour 2025』として約14年ぶりの日本公演を3月12日に開催する。来日中のカイリーは、自身と同じようにグローバルに活躍するグループ・INIに関心を示し、奇跡的なタイミングで対談が実現した。語学堪能な許と田島が音楽界のレジェンドから、最新アルバムと日本公演のこと、トップアーティストとして長く活躍し続けるための秘けつや海外公演の極意などを聞いた。

 対談を前に緊張する許と田島だが、カイリーが「Hello everyone, nice to me to you!」と晴れやかにあいさつすると、現場の空気は一瞬にして軽やかに。プレッシャーから解放された2人は「今の“tension”は?」「歌手というキャリアを長く続ける方法は?」など、硬軟織り交ぜた質問を投げかけた。カイリーからも「私は活動中、いつもひとりだけど、メンバーが11人いるのはどんな感じかしら?」「インスピレーションを受ける瞬間を教えて」など、次々と質問が。話は弾み、共感と機知、ユーモアにあふれる3人のトークは時間ギリギリまで途切れることなく続いた。

 対談終了後の記念撮影の際には、気さくな人柄がにじむ場面も。カメラの前にカイリーを挟むようにして並んだ3人。INIポーズをとる許と田島の手元を見たカイリーは「(そのポーズ)どうやるの?」と、2人から手ほどきを受け、すぐさまINIポーズをマスター。「一緒に前進するわよ!」と、2人にエールを送るような力強いポーズと笑顔で締めくくった。

【インタビュー】

■日本の印象と最新アルバム『TensionII』について

許:日本はいかがですか?お好きですか?

カイリー:ええ、大好きよ!私が初めて日本に来たのは1989年。(初のワールドツアー『MEGA DISCO in DREAM’89』のキックオフの地が日本だったため)海外旅行や音楽でのプロモーションを初めて経験したの。何もかも、本当に初めての経験だったから忘れられないわ。そして、今回来日した理由も音楽。最新アルバム『TensionII』のプロモーションと、2025年の(3月12日に)ツアーで日本を訪れることを、みんなに知ってもらうためにね!(初めての来日から)音楽を仕事にすることで旅、人、経験と、さらに世界が広がっているのを実感しているわ。

許:14年ぶりの日本公演、おめでとうございます!

田島:前作に続き、今作もアルバム名に“Tension”を冠していますが、どんな意味が込められているのですか?

カイリー:Tensionってネガティブな意味での緊張感という意味もあるけど、ドラマを作り上げるという意味にも取れるの。たとえば、おいしい料理の中の旨味を引き出す。そのピリッとしたTensionが旨味になる、というふうにね。最初のうちは、タイトルにはふさわしくない言葉かもしれないと思ったりもしたけど、今は気に入っているわ。

田島:では、今の“テンション”は?

カイリー:そうね、疲れてる(笑)。来日中は1~2年分の仕事を一気にしたみたいに、ずっと人前に出ていて、とても忙しかったの。(INIの)2人もわかるでしょ?でも誤解しないで。私がアルバムで伝えたかった方のTensionという意味だから。

■世界各国での公演について

許:世界各国でライブをしていますが、印象的だった国はありますか?

カイリー:どの国でもというわけではないけど、その国によって違いはあるわね。たとえば、日本では、観客が同時に手を振るワイパーのようなシンクロがたくさんあってクール。また南米の観客は、歌詞を全部歌うのが好き。前回ブラジルで公演したときは、彼らの歌声が大きくて、最初の3曲くらいは自分でも何も聞こえなかったくらい。いろいろ回ったけれど、やっぱり、オーストラリアでの公演は特別。家族や友達も見に来るしね。ママはよく一緒にツアーを回ってくれていたけど、父はツアーには回れなかったので、最近は私が演奏しているときはとても感情的になって、涙ぐんでいたみたい。

日本のお客さんは遠慮がちなところがあるかもしれないわね。ただ、その違いを念頭におけば、「自分がどれだけよいパフォーマンスをしているか」を測ることができる。私はそれを楽しんでいるわ。観客にじっくり見てもらえるのは楽しいし、歌も腕が上がる。何より、世界中のさまざまなステージの上に立つのが大好きなの。来年は『Tension Tour 2025』で、それが実現するので楽しみだわ。

許:最近覚えた日本語の中で、コンサートで使いたいものはありますか?

カイリー:まずは日本語の知識を増やさないといけなくて。いい日本語、何かあるかしら?

田島:「叫べ―!」はどうですか?

カイリー:さけ…べ?ああ、Scream!のことね!これなら覚えられそう。サケベー?サケベ?サケベ!

許&田島:完ぺきです!

カイリー:念のため、コンサート直前にもう1回連絡してくれる?

田島:もちろん!1回だけでなく何度でも。何ならボイスメッセージも送ります、「叫べ!」の(笑)。

カイリー:サケベー!

許:ところで、何かコンサートに出る前のルーティンはありますか?

カイリー:会場に行ってサウンドチェックをするのが好きで、自分のフィーリングを体感し、ボーカルをウォームアップするの。それから、ショーの直前には、楽屋で静かにしている。心の中ではいろいろなことが起こっていて、準備と自分の中心を保つこと以外は何もしていないように見えるかもしれない。そして、10分前という連絡を受けたら、アドレナリンが出始めて、さあいよいよとなる。ステージに上がって、本番前にみんなとハグして。今、その瞬間のことを考えただけでも、とても興奮してくるわ。何が起こるかわからないのが、ショーだから。あなたたちはどう?公演前は何をしているの?

田島:僕らは11人で円になって、叫びます。

カイリー:すばらしいわ。あなたはたち、仕切り上手だわ。

許:みんな自由だけど、ステージ上では1チームとして立っているわけで。そこはオーガナイズしなきゃいけないですから。

田島:それでなんとなく円になって。

カイリー:サケベー!なのね(笑)。いいと思う!

■ソロとグループの違いについて

許:ソロアーティストとして国内外のアーティストとのコラボレーションをたくさんしていますが、感想を教えてください。

カイリー:コラボ中にバンドをやっていると、常にお互いがいるから、簡単ではないことも多いけど、仲間がいるのはいいことだと感じることもあるわ。彼らは違うエネルギーをもたらしてくれるし、お互いにアーティストであり、パフォーマーであるという暗黙の了解があるように感じる。相手が経験してきたこと、これから経験すること、彼らをここに連れてきたものごとについて、私はある程度知っているわ。そして、彼らも私の中に同じものを認めてくれることを願っている。そういう瞬間を共有するのが好きなの。あと、さっき「国内外の」と言っていたわね。私にとってどの国かどうかは気にならない。ただ、音楽という言語でやりとりできる相手、そんな気がする。

■音楽への情熱について

許:歌、ダンス、パフォーマンスを続けて約40年。これだけの長い期間、トップランナーとして走り続ける情熱は、どこから来るのですか?

カイリー:何よりも自分が大好きだからかしら。さらにおかしなことに音楽はもっと好きなのよね。私は自分の音楽に付随するあらゆる経験をしてきたし、世界中を駆けめぐって、世界中のファンやアーティストたちとつながりを持つことができた。こうした経験の中から、常に人生が変わったわ。音楽や自分の気分もそう。だから、ただただ、そのことを自分が楽しんでこられたからだと思う。ものすごく疲れて「もう引退すべき?」と周りにこぼしたりもするけど、10分後には「さ、次は何をする?」と、あれもこれもと言っているわね(笑)。

許&田島:10分後!?

田島:立ち直りが早いです(笑)。

カイリー:つまり、私にはまだチャンスがまだまだあるってこと!ところで、あなたたちの場合、音楽への情熱やインスピレーションはどこで得ているの?

田島:僕は好きなアーティストの動画を見ます。そのパフォーマンスを観て「やっぱり僕は音楽が好きなんだ」と再確認できるので。動画だけでなく、直接ライブに行くことも重要ですね。あと、ひとりだけの空間で踊ることも。(普段は11人で練習しているため、あえて)「ひとりで練習する」こともモチベーションになりますね。

カイリー:よくわかるわ。歌って踊って、いい気分になるのは、とても健康的。エンドルフィンやドーパミンが分泌されるからね。

許:僕には、まだ行ったことがないステージや国がたくさんあるので、「まだここでは止められない」とか「まだまだ止まることができない」というか。今のままでは満足できないという状態が情熱につながっているんだと思います。

カイリー:(目指す国のひとつとして)オーストラリアはどうかしら?あなたのファンもたくさんいるだろうし。

許:オーストラリアには行きたいです!僕らのファン、MINI(ファンネーム)がたくさんいる!?

カイリー:オーストラリアで活動してくれたら、私がINIのファンクラブに入るわ。会員ナンバー0000001になりたいの。

許&田島:ええー!

許:もしそうなったら、INIメンバー全員がカイリーさんに大きな感謝をするでしょう。

カイリー:それじゃ、あなたたちから、ほかのみんなによろしくって伝えておいてもらえるかしら。

許&田島:はいっ、絶対に伝えます!

田島:話足りないのですが、最後に何かメッセージをいただければ。

カイリー:もうそんな時間なの?そうね、今回はお2人にお会いできて光栄です。本当にありがとう。君たちの成功を祈っているわ。あなたたちが世界を見て、どこに行っても熱意と優しさを持っていくことを、とても楽しみにしています。それは本当に大切なこと。あなたたちがそうであることを願っているわ。何事も簡単にはいかないけれど、私たち、好機をつかみましょうね!

田島:はい。きょうのことを思い出して、絶対に乗り越えます!

カイリー:私も、この瞬間を感謝の気持ちを持って受け止めたいと思います。本当にありがとう。そして、この動画をチェックしてくださった皆さんへ。愛してる!来年の『Tension Tour 2025』でお会いする日が待ちきれないわ。本当にありがとう!

■対談を終えて

田島:想像している以上に、めちゃくちゃ話しやすかったです。世界で活躍するレジェンドの経験を直接聞くことができたことは貴重な体験でした。「スターは、ビッグになるほどに優しい」。カイリーさんとお会いして、そう思いました。ありがとうございました!

許:僕がカイリーさんの曲を初めて聞いたのは中学1年生のとき。そんなすごい方とフェイス・トゥ・フェイスで話すこと自体、夢の中のできごとのようでした。しかも、こうやってサイン入りのLPまでいただいて、最高の夢の時間でした。僕、すごく緊張していたんですけど、カイリーさんのオーラがとても優しかったので、途中からだんだん緊張がほぐれてきて。だから、すごくいい対談になったんじゃないかなと思います。貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

カイリー:2人とお話しながら1988年や1990年、1995年など、私が日本に来たいろんなときの写真を並べて、それらを見た2人のリアクションがあったら最高だっただろうなと思っていました。私も初めて新幹線に乗ったときは興奮したなとか、日本のかわいいものは全部好きだし、とか。当時のことをいろいろ思い出していたから。

田島:写真、見たかったです!

許:(カイリーさんの音楽に触れた中学生の)当時は、アルバム『Aphrodite(アフロディーテ)』の収録曲「Get OuttaMy Way」が好きでよく聴いていました。そして今、僕とカイリーさんはお話をしている。僕の頭の中からカイリーさんの曲がずっと離れなかったのは、こういうことだったのですね。

カイリー:そうね。だから私たちは打ち解けることができたのね。あなたのおかげね、ありがとう。

田島:カイリーさん、優しい。

許:アイコン・オブ・アイコンの方なのに、この優しさ、親しみやすさ。そのギャップにますますハマっちゃいました。

田島:カイリーさんの言葉を忘れずに頑張っていこうと思います!

許:頑張ります!

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