GitHub Univerese 2024開催:GitHub CopilotのAIモデル選択可、自然言語による新たなアプリ開発ツールGitHub SparkなどAIネイティブな開発者体験を向上
10周年を迎えた開発者向け年次イベント GitHub Universeにて、
ソフトウェア開発者の選択肢を強化するために、GitHub Copilotをマルチモデル化し
Anthropic、Google、OpenAIからAIモデルが選択可能になったほか、
新たなアプリ開発ツールGitHub Spark、GitHub CopilotとGitHub Models全体の
追加アップデートなどを発表
2024年10月29日(米国時間) - 米国カリフォルニア州サンフランシスコ - AIを活用したソフトウェア開発者プラットフォームとして世界をリードするGitHub(http://www.github.com/about
)(本社:米国サンフランシスコ)は本日、10周年を迎えた年次開発者カンファレンス「GitHub Universe 2024(https://githubuniverse.com/
)」にて、GitHub Copilotを基盤としたプラットフォームの次なる進化を発表しました。
基調講演では、GitHub Copilotをマルチモデル化し、AnthropicのClaude 3.5 Sonnet(https://www.anthropic.com/claude
)、GoogleのGemini 1.5 Pro(https://deepmind.google/technologies/gemini/pro/
)、OpenAIのGPT-4o(https://openai.com/index/hello-gpt-4o/
)、o1-preview(https://openai.com/index/introducing-openai-o1-preview/
)、o1-mini(https://openai.com/index/openai-o1-mini-advancing-cost-efficient-reasoning/
)など業界をリードするモデルから選択が可能となり、開発者が使用するツールの選択肢が広がったことを明らかにしました。さらにGitHubは、10億人がソフトウェア開発者になるための新たなAIネイティブツールとして発表した「GitHub Spark」を通じて、自然言語だけでパーソナライズされたウェブアプリケーションを開発できる機能を提供します。加えて、VisualStudio CodeのGitHub Copilot、GitHub Copilot Workspace、GitHub Models、Copilot Autofixの大幅なアップデートによって、AI機能をGitHubプラットフォーム全体に拡張しました。これにより、IssueからPull Request、ビルドまで、GitHubプラットフォーム全体でAIネイティブな開発者体験の提供を可能にしました。
GitHub Copilotのマルチモデル対応:Anthropic、Google、OpenAIの主要モデルを選択可能
Visual Studio CodeとGitHub.comでGitHub Copilotを使用する開発者は、AnthropicのClaude 3.5 Sonnet、GoogleのGemini 1.5 Pro、OpenAIのGPT-4o、o1-preview、o1-miniなど業界をリードするモデルから選択できるようになりました。デフォルトのモデルでも十分に強力な機能を提供するGitHub Copilot Chatとの会話中に、タスクに適したモデルを選ぶことが可能になり、GitHubはこのマルチモデル対応で、開発者が慣れ親しんだワークフローの中でさまざまな主要モデルを使用できるようにサポートします。
AnthropicのClaude 3.5 Sonnetは、本発表をもってGitHub Copilotで利用可能となりました。GoogleのGemini 1.5 Proは数週間のうちに利用可能となる予定です。GitHubは、主要なモデルプロバイダーとのパートナーシップを通じて開発者の選択肢を広げ、GitHub Copilotのさらに多くの機能や領域でマルチモデルの選択を可能にしていく予定です。
GitHub CEOのトーマス・ドムケ(Thomas Dohmke)は、次のように述べています。「2024年、私たちはプログラミングタスクごとに秀でた性能を発揮する大小規模の言語モデルのブームを目の当たりにしました。すべてのシナリオに最適な単一のモデルはなく、開発者は自分にとって最適なモデルを選べることを期待しています。AIコード生成の次のフェーズは、マルチモデルをサポートする機能だけでなく、マルチモデルを選択可能にすることが鍵となるでしょう。だからこそ、本日、当社は正にその選択肢として提供を開始しました」
Anthropic の共同創設者兼チーフサイエンティストである ジャレッド・カプラン(Jared Kaplan)氏は、このたびのマルチモデル対応に関して、以下のように述べています。「Claude 3.5 Sonnetはコーディングタスクに優れており、ソフトウェア工学の原理をよく理解し、複雑なプログラミングの課題に取り組む能力が高いことから、ソフトウェア開発者に広く利用されています。GitHub CopilotにClaude 3.5 Sonnetを統合し、当社が提供する最先端 AI 機能を、必要とされる場所で必要とする開発者に直接お届けするという継続的な取り組みをさらに進めていきます。GitHub Copilotを通じて、Claudeはコンセプトからデプロイまで、開発プロセス全体を通じてさらに多くの開発者をサポートしていきます」
Google CloudのCEOであるトーマス・クリアン(Thomas Kurian)氏は、このたびの統合について次のように述べています。「ソフトウェア開発者は、コード生成、リファクタリング、コード最適化など、開発に最適なモデルの幅広い選択肢を求めています。Geminiのモデルはこの点に優れており、GitHub Copilotを含む幅広く利用されている開発者プラットフォームや開発環境で利用でき、世界中の何百万人もの開発者が、Google Cloudを通じて信頼できるエンタープライズグレードのAIの恩恵を受けられるようになります」
GitHub Spark:自然言語でのアプリ開発を可能にするAIネイティブツール
GitHubは、10億人が開発者になるための支援を行うというビジョンを掲げています。GitHub Spark(https://githubnext.com/
)は、あらゆるスキルレベルの開発者が自然言語を使用して「spark (スパーク)」と呼ばれるマイクロアプリを開発し、アイデアを実現できるようにするツールです。GitHub Sparkは、クラウドリソースの管理を一切必要とせず、AI機能や外部データソースを統合のみで完全に機能するマイクロアプリです。
クリエイティブな作業でフィードバックループを活用し、OpenAIやAnthropicのモデルを使用したプロンプトからアプリを開発し、リアルタイムでプレビューを確認しながら、各リクエストのオプションを容易に確認できます。各バージョンが自動保存されるため、途中経過を比較しながら進めることも可能です。経験豊富な開発者は、基礎となるコードを直接変更でき、一般ユーザーや初心者は、完全に自然言語で反復してアプリを改善していくことができます。ユーザーが自分のspark (スパーク)の出来に満足した場合、デスクトップ、タブレット、モバイルデバイスで自動的に実行でき、自分の創造したアプリからすぐに価値を得ることができます。また、アクセス権をカスタマイズすることでspark (スパーク)を共有したり、他のユーザーがspark (スパーク)をリミックスすることでも、開発を進められます。
GitHub CEOのトーマス・ドムケ(Thomas Dohmke)は、次のように述べています。「長い間、世界の人口の大多数がソフトウェアを開発する上で乗り越えられない障壁がありました。自然言語だけでアプリケーションを開発できる新しいAIネイティブツールGitHub Sparkがそのような状況を変えてくれます。GitHub Sparkによって、10億人以上のパソコンやスマートフォンユーザーがGitHub上で自分のマイクロアプリを開発し、共有できるようになり、AI時代にふさわしいクリエイターネットワークを実現します」
今後もGitHub Sparkの改良を続け、一般ユーザーと全てのスキルレベルの開発者にとってより直感的で使いやすいツールへと進化させていきます。
AIネイティブな体験を提供:GitHubプラットフォーム全体にわたる大幅改善
VisualStudio CodeのGitHub Copilotの進化から、GitHub Copilot WorkspaceやGitHub Modelsの次期バージョンまで、開発者の選択とコントロールを支えるAIネイティブな開発体験のビジョンを明らかにしました。
主な改善点は以下のとおりです。
Visual StuidoCodeでのGitHub Copilotのマルチファイル編集機能:11月1日(米国時間)より、ユーザーはVisual Studio CodeのGitHub Copilot Chatを使い、プロジェクト内の複数ファイルを自然言語プロンプトで同時に編集することができる新しい編集モードが利用可能(https://github.blog/changelog/2024-10-29-multi-file-editing-code-review-custom-instructions-and-more-for-github-copilot-in-vs-code-october-release-v0-22
)になります。
全ユーザー向けの GitHub Copilot Extensions:GitHub Copilot Extensions(http://github.com/features/copilot/extensions
)により、開発者は、Atlassian Rovo、Docker、Sentry、Stack Overflowなどの主要な開発者ツールやサービスに関する質問ができるようになります。ユーザーは、社内のツールと連動するプライベート拡張機能を開発することもできます。GitHub Copilot Extensionsは、2025年初頭に一般提供(GA)される予定です。
Xcode向けGitHub Copilot:GitHub CopilotのXcode向けのコード補完機能がAppleのプラットフォームのアプリケーション開発者向けにパブリックプレビュー(https://github.blog/changelog/2024-10-29-github-copilot-code-completion-in-xcode-is-now-available-in-public-preview
)で利用可能になりました。
GitHub Copilotによるコードへのフィードバック:新しいコードレビュー機能により、GitHub Copilot は30秒でコードに迅速なフィードバックを提供し、ユーザーは人間のレビュアーを待つ間に「マージ準備完了」に向けて反復作業を開始できます。ユーザーは、Insiders版のVisual Studio Code(https://github.blog/changelog/2024-10-29-github-copilot-code-review-in-visual-studio-code-public-preview
)またはGitHub.com(https://github.blog/changelog/2024-10-29-github-copilot-code-review-in-github-com-public-preview
)でPull Request作成時にレビューをリクエストできます。
GitHub Copilotのカスタマイズ機能:ユーザーは、Visual StudioCodeとVisual StudioでGitHub Copilot Chatの応答を、好みのツール、組織の知識、コーディング規約に基づいてカスタマイズ(https://github.blog/changelog/2024-10-29-multi-file-editing-code-review-custom-instructions-and-more-for-github-copilot-in-vs-code-october-release-v0-22
)できるようになりました。さらに、リポジトリ、Pull Request、Issue、ディスカッション、 Bingインテグレーションを通じてウェブから追加のコンテキストを活用し、GitHub全体でAI ネイティブな体験を開発者に提供します。
GitHubプラットフォーム全体のその他のアップデートは、以下のとおりです。
GitHub Copilot Workspaceの次のイテレーション:55,000人以上の開発者がGitHub Copilot Workspaceを利用して、自然言語を使ってコードの計画、ビルド、テスト、実行を行っています。これまでに10,000件以上のPull Requestがマージされています。GitHub は開発者と密接に協力し、さらなる価値を提供するために、ビルドおよび修復エージェント、実装に必要な変更の検出、コマンド実行によるエラー修正機能など、100以上の改良が加えられました。他にも、ブレインストーミングモード、VisualStudio Codeとのインテグレーション、反復フィードバックループ、より深いAIアシスト、さらにコンテキストの提供とパーソナライゼーションの向上が含まれます。
GitHub Modelsの機能拡張(パブリック・プレビュー):インタラクティブなモデルプレイグラウンド(https://github.blog/jp/2024-08-02-introducing-github-models/
)公開以来、7万人以上の開発者が、OpenAI o1やMeta Llama 3からMicrosoft PhiやCohere Command Rまで、AIモデルをGitHubから試しています。本日より、AIエンジニアは新機能を活用できるようになりました。これには、モデルを並べて比較する機能、マルチモーダルモデルのサポート、プロンプトやパラメーターを保存して共有する機能、GitHub Codespacesでの新しいクックブックやSDKのサポートなどが含まれます。
Copilot Autofixとセキュリティキャンペーンによる大規模な脆弱性の修正:Copilot Autofix(https://github.blog/jp/2024-08-15-secure-code-more-than-three-times-faster-with-copilot-autofix/
)の一般提供(GA)を受けて、開発者はコードの脆弱性を3倍以上の速さで修正しています。Copilot Autofixにはセキュリティキャンペーンが追加され、一度に最大1,000件のアラートをトリアージできるほか、アラートの種類、深刻度、リポジトリ、チームごとにフィルタリングできます。ESLint、JFrog SAST、Black Duck's Polaris™ platform powered by Coverity®などのパートナーツール(https://github.blog/changelog/2024-10-29-copilot-autofix-now-supports-partner-code-scanning-tools
)とも統合できるようになったため、開発者は自分のコードスキャンツールでセキュリティワークフローを合理化できます。パートナーツール向けのセキュリティキャンペーンとCopilot Autofixは、本日よりパブリックプレビューで利用可能です。
GitHub Octoverse 2024レポート:AIをリードするPythonがJavaScriptを追い抜き、世界の開発者数が急増
2024年度のOctoverseレポート [BLOG LINK] では、GitHub上の5億1,800万以上のプロジェクトのプラットフォームアクティビティから、グローバル開発者コミュニティの規模が急増する中で、AIがどのように拡大しているかを示しています。昨年GitHub上で行われた52億のコントリビューションを分析した結果、3つの大きなトレンドが明らかになりました。
PythonがGitHub上で最も使われる言語:AIの普及と共にオープンソース活動が従来のソフトウェア開発の枠を超えて広がっています。
世界的な生成AI活動が急増:GitHub上のパブリックな生成AIプロジェクトの総数は前年比で98%増加しており、その多くはインド、ドイツ、日本、シンガポールなどの国々からの活動です。
世界規模での開発者数の急増:特にアフリカ、ラテンアメリカ、アジアで顕著です。100万人以上の学生、教師、オープンソースメンテナがGitHub Copilotの無償アクセスプログラムを通じてAIを利用しており、AIがより多くの人々を開発者の道へと導いていることが示唆されています。
GitHubに関する情報は、こちらからもご覧いただけます。
Press Release:https://github.com/newsroom
Blog:(英語) https://github.blog
(日本語) https://github.blog/jp
X:(英語) @github https://twitter.com/github
(日本語) @GitHubJapan https://twitter.com/githubjapan
【GitHub について】
GitHubは、すべての開発者のためのグローバルなホーム(家)として、安全なソフトウェアの開発、拡張、提供の実現に向け世界有数のAI搭載開発者プラットフォームです。グローバル企業の総収入ランキングトップ100の『Fortune 100』に名を連ねる90%以上の企業の開発者を含む1億人以上が、GitHubを利用し素晴らしい共同作業を行っています。GitHubが提供するあらゆるコラボレーション機能により、個人やチームはかつてないほど容易に、より速く、より良いコーディングを実現しています。また、77,000を超える組織がGitHub Copilotを導入しています。
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(日本語)
プレスリリース詳細へ https://digitalpr.jp/r/97837