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海上、陸上に警戒区域 「カイロス」2号機、12月14日打ち上げ、和歌山

ロケットの打ち上げを応援しようと作ったのぼり(和歌山県串本町くじの川で)
ロケットの打ち上げを応援しようと作ったのぼり(和歌山県串本町くじの川で)
 12月14日、和歌山県串本町田原にある民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」からロケット「カイロス」2号機を打ち上げると発表した宇宙関連企業「スペースワン」(東京都)は、打ち上げに伴い、海上と陸上に警戒区域を設定し関係者に協力を求めている。発射予定時刻は午前11時~11時20分ごろで、天候などを考慮して15~27日を予備期間としている。

 海上の警戒区域は発射場の南東約6・5キロ四方の海域に設定。打ち上げのおおむね2時間前から警戒を始め、打ち上げ数分後に解除する。周囲には安全対策として警戒船を配置し、区域の手前で進入禁止措置を行う。

 3月の初号機の打ち上げでは計画区域内に船舶が侵入し、打ち上げが延期となった。同社は串本、那智勝浦両町や県、関係機関と連携して前もって広く周知をしていく。

 陸上では発射場周辺の浦神半島一帯が警戒区域となる。打ち上げ1日前の午前9時から打ち上げ後おおむね15分後までを立ち入り禁止とする。場所によっては警戒時刻が異なる場合もある。

 射点から遠く離れた海上については、海上保安庁が発表する水路通報の確認を呼びかけている。

 また、同社は9日、累計資金調達額が200億円を突破したと報告。現行のカイロスに加え、打ち上げ能力の増強や、目標軌道への衛星投入の精度向上を目的とした「増強型カイロス」の研究開発を進めていることも明らかにした。

 同社の豊田正和社長は「カイロスロケット2号機で人工衛星の軌道投入の達成に挑む。その成果を迅速に市場に投入して日本の宇宙ビジネスの要となる利便性の高い宇宙輸送サービスを確立し、宇宙利用産業の拡大につなげることが次回打ち上げのミッションだ」とコメントを発表した。

■のぼりでロケット応援

 串本、那智勝浦両町の住民有志などでつくる「和歌山ロケット応援団」のおもてなし隊(青木寛隊長)は、カイロス2号機の打ち上げを応援しようと、ロケットのロゴが入ったのぼりを500枚作り、11月11日から販売を始める。

 のぼりは高さ1・8メートル、幅60センチ。スペースポート紀伊の公式ロゴを中心に、打ち上がるロケットをイメージしたデザインになっている。

 価格は1枚千円。串本町の南紀串本観光協会や町商工会、那智勝浦町の町観光案内所や南紀くろしお商工会で購入できる。郵送希望や企業など100枚単位で名前入りののぼりを注文したい場合は、インターネットから注文できる。

 おもてなし隊は、ロケットの見学客らをおもてなしの気持ちを持って迎えようと、ロケット応援団員の中で集まったグループ。ボランティア活動ではあるが、物販や飲食、体験などさまざまな事業をしているメンバーが集まっている。

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