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長野龍王講が解散へ 150年以上 大峰山参り、和歌山県田辺市の住民組織

「大倉」の岩山に祭られる役行者の石像(左)=和歌山県田辺市長野で
「大倉」の岩山に祭られる役行者の石像(左)=和歌山県田辺市長野で
 150年以上の歴史がある和歌山県田辺市長野の住民組織「長野龍王講」(奥芝平一郎代表)が解散する。奈良県天川村の霊峰・大峰山(山上ケ岳)参りを主に続けてきたが、メンバーの高齢化により組織の維持が難しくなった。最後の活動として22日に地元で芦谷行者護摩供養祭を開く。


 メンバーによると、長野龍王講は江戸後期に結成されたとされる。その頃、長野地区には伊勢講や山上講、庚申講、高野講などいくつもの講があり、住民有志が信仰や親睦を目的に集まっていた。長野龍王講では大峰山参りを続け、地元の高尾山東側にある「大倉」の岩山に祭られる役行者の木像前で、護摩供養を執り行ってきた。1936(昭和11)年には新しい役行者の石像を祭り、大峰山登山修行供養塔も建立した。

 芦谷行者護摩供養祭は毎年、7月に開き、秋には役行者像周辺の清掃や勤行、宴会を続けていた。他の講が解散する中、長野龍王講も組織の維持が難しくなり、いずれの活動も2018年に取りやめ、その後コロナ禍の影響によりできないでいた。大峰山参りは毎年5月にしており、昨年、4年ぶりに訪れた。

 メンバーは昭和の終わりごろには十数人いたが、15年ほど前には5人となり、現在は奥芝代表(82)と那須豊平さん(75)、竹内豊さん(84)、瀧本昇二さん(82)の4人だけ。いずれも高齢で、活動を続けるのは大変だったという。

 奥芝代表は「大峰山参りも護摩供養祭も、かつては多くの人でにぎわった。解散は寂しいが、跡継ぎがいないのでやむを得ない」と話す。

■22日に最後の供養祭

 芦谷行者護摩供養祭は22日午後3時から、田辺市長野の県道沿いの空き地で開かれる。

 7年ぶりで、これまで7月に開いていたが、今年は暑さが厳しいことから9月に計画した。

 当日は祈願の申し込みを受け付け、護摩供養をする。3時半ごろから、餅まきもある。

 空き地の場所は、長野八幡神社から伏菟野方面へ約1キロ。問い合わせは奥芝代表(090・9610・1783)へ。

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