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「三体月」雲で見えず 中辺路と本宮で観月会

読経をするなどしながら月の出を待つ関係者や参加者(20日午前0時12分、和歌山県田辺市中辺路町の潮見峠で)
読経をするなどしながら月の出を待つ関係者や参加者(20日午前0時12分、和歌山県田辺市中辺路町の潮見峠で)
 和歌山県田辺市の中辺路町と本宮町で19日深夜から20日未明にかけ、熊野地方に伝わる「三体月」の観月会があった。中辺路町では世界遺産に登録されている熊野古道の潮見峠であり、約30人が参加。月は雲で見えなかったが、参加者がロマンを楽しんだ。

 観月会は旧暦の11月23日、山から昇る下弦の月が三つに見えるという三体月の伝説にちなんだ催し。中辺路町観光協会と熊野本宮観光協会がそれぞれ開いた。

 中辺路町では、語り部の倉尾弘大さん(76)=田辺市中辺路町=が三体月の伝説について解説した後、午前0時ごろから、山伏姿をした上森宏雅・観光協会長(61)と救馬渓観音(上富田町生馬)の森本眞弘住職(54)が読経し、皆で月の出現を待った。午前0時半すぎまで待ったが、雲に隠れて見えなかった。

 初めて参加したという海南市の保田佐和子さん(59)は「月は見えなかったが、良い経験ができて、すごく良かった。また機会があれば参加したい」と笑顔をみせた。

 本宮町では大日山に約30人が集まり、月が現れるのを待った。観光協会によると、午前0時40分ごろまで待ったが、雲が厚く月を見ることはできなかった。

 次回は2021年1月6日の予定。

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