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地蔵の顔欠け「かわいそう」 「百間ぐら」で風化か、和歌山県田辺市本宮町の熊野古道

顔の部分が欠けてしまった熊野古道「小雲取越」の名所「百間ぐら」にある地蔵(和歌山県田辺市本宮町で)
顔の部分が欠けてしまった熊野古道「小雲取越」の名所「百間ぐら」にある地蔵(和歌山県田辺市本宮町で)
顔が欠ける前の地蔵(2020年12月31日撮影)
顔が欠ける前の地蔵(2020年12月31日撮影)
 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されている熊野古道「小雲取越」の途中にある和歌山県田辺市本宮町の名所「百間ぐら」で、道沿いにある地蔵の顔が欠けた状態になっている。風化によるとみられるが、古道を歩く人たちからは「かわいそう」という声も出ている。


 百間ぐらは中辺路ルートの絶景ポイントとして知られ、観光パンフレットなどでも頻繁に紹介される。古道沿いに高さ33センチ、幅20センチほどの大きさの地蔵があり、古道を歩く人たちを見守っている。

 地蔵の顔の部分が完全に欠け、5センチ四方が白っぽくなっている。百間ぐらを目当てに友人と熊野古道歩きに訪れたという大阪府枚方市の男性(26)は「顔が欠けたお地蔵さんを見たのは初めてでびっくりしたし、かわいそう。直せるのなら直してほしい」と話した。

 地元の写真愛好者(62)によると、1年ほど前に見たときは顔の3分の1ぐらいが欠け、残りも剝がれそうな状態になっていたという。

 市教委文化振興課によると、今年3月中旬、本宮町にある世界遺産熊野本宮館の職員が古道を歩いていた人からの情報で状況を確認し、周囲を捜したが顔の破片は見つからなかったという。同課の担当者は「原因は断定できないが、状況から人にわざとされたものというよりも、風雨によるものだと思っている。地蔵自体は世界遺産に登録されているものではないので、緊急に修復するのは今のところ難しい」と話している。

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