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梅の収穫始まる 不作、ひょう害で受難の今季、和歌山、紀南地方

小梅の実を収穫する農家(14日、和歌山県上富田町岩田で)
小梅の実を収穫する農家(14日、和歌山県上富田町岩田で)
 全国一の梅産地、和歌山県紀南地方で梅の収穫が始まった。今年は暖冬で不完全な花が多かった影響から不作傾向で、ひょうの被害もあるなど受難の年となっている。収穫は小玉の「小梅」から、今後、大玉の「古城梅」「南高梅」と移りながら6月下旬ごろまで続く。


 JA紀南管内の梅の農家数は約2200戸で、栽培面積は計2211ヘクタール。そのうち、小梅は約105ヘクタールで栽培されている。小梅の代表的な品種には「白王」や「紅王」「パープルクィーン」などがある。

 JAによると、今年は暖冬の影響で不完全な花が多かったことなどから着果数が少なく、3月に降ったひょうで傷の被害も大きい。

 小梅の生産量は4月30日現在で416トン(前年比59%、平年比56%)と予想している。市場販売は14日に始まった。市場販売量は134トンの計画。市場価格は不作傾向なことから、例年より高めという。

 上富田町岩田の農家、谷本憲司さん(47)は14日から、家族や毎年手伝いに来てくれる人と共に小梅の「紅王」の収穫を始めた。高い場所は脚立を使い、手際よくもぎ取っていた。

 小梅は約25アールで栽培しており、収穫量は例年の半分の1トン未満になる見込みという。谷本さんは「今年のように少ないのは初めてだが、熟度も品質も良い実ができているので、ジュースや梅酒などに加工して楽しんでほしい」と話した。

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