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公示地価、33年連続下落 住宅地の上昇率は全国最下位、和歌山

住宅地の上昇率(対前年)
住宅地の上昇率(対前年)
 和歌山県は1月1日時点の県内公示地価を発表した。住宅地の上昇率はマイナス0・7%(全国平均プラス2・0%)、商業地はマイナス0・5%(プラス3・1%)で、いずれも33年連続で下落。全国平均と差があり、住宅地は3年連続で都道府県で最下位。商業地は昨年より5位上昇したが38位だった。

 上昇率は、住宅地が111地点、商業地は60地点の昨年比の平均。住宅地、商業地とも下落したが、下落幅は2年連続で縮まった。

 住宅地の上昇地点は和歌山市11地点、田辺市と上富田町が各2地点、白浜、串本、有田川の各町と海南、岩出の各市で各1地点の計20地点。昨年より8地点多く、3年連続で増えた。下落したのは昨年より8地点少ない79地点だった。

 最も上昇率が高かったのは「和歌山市美園町2丁目80番」の2・9%。1平方メートル当たり17万5千円で、昨年より5千円上昇した。JR和歌山駅や商業地に近く利便性が高いほか、マンション用地として需要が活発になっているという。

 紀南では「田辺市神島台19―5」が1・5%増で、県内上昇率3位。昨年より1100円上がり7万4100円となった。「田辺市南新万2―6」は0・9%増で5位。千円上昇し10万9千円となった。

 このほか「上富田町南紀の台19―28」が300円(0・9%)上昇し3万4800円▽「串本町サンゴ台1184番28」が400円(0・8%)上昇し5万2千円▽「上富田町岩田大坊1500番61」が100円(0・4%)上昇し2万7100円▽「白浜町堅田坂巻2760番44」が100円(0・3%)上昇し3万4700円だった。紀南の6地点はいずれも津波被害想定区域外の高台にあることから需要が高い。

 商業地で上昇したのはいずれも和歌山市の21地点で、昨年より9地点増えた。上昇率の最高は国道42号沿いの商業地域「和歌山市紀三井寺南前浜621番1」で1・9%。昨年より2千円上昇し11万円となった。下落したのは昨年より6地点少ない33地点だった。

 住宅地地価の1~5位は和歌山市が占め、最高は「和歌山市美園町2丁目80番」の17万5千円。地価最高は8年連続で、今年は上昇率も最も高かった。商業地地価の1~5位も全て和歌山市で、1位はJR和歌山駅前の県内最繁華地域「和歌山市友田町5丁目50番外」の45万円。25年連続で最高となった。

 不動産鑑定士の美濃部元秀さんは、平均上昇率が全国レベルに及んでいないことについて「海岸近くの低地と高台などで地価の二極化が現れている」と説明。上昇地点は増えている一方で、他の都道府県に比べ、下落地点も多いことを理由に挙げた。また、県内の人口減や空き家率の高さ、国土軸から離れていることなども要因だとした。

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