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和歌山県、振興局を機能強化 「現場」近くから市町村や地域を支援

新年度から機能強化される西牟婁振興局が入る庁舎(和歌山県田辺市朝日ケ丘で)
新年度から機能強化される西牟婁振興局が入る庁舎(和歌山県田辺市朝日ケ丘で)
 将来、地域課題がさらに多様化、複雑化していくのに備え、和歌山県は2024年度から振興局の機能強化を進める考えだ。振興局が独自に地域の取り組みに補助する予算を持つほか、市町村に対する支援などの業務を本庁から移管し、現場に近い振興局が地域や市町村への支援を強めていく。


 人口減少が進む地域では、店舗の閉店やバス路線撤退、廃校増といった地域課題の深刻化が懸念される。特に少子高齢化の課題がピークを迎える「2040年問題」の発生も予想されている。市町村では職員数が減り、行政が円滑に行えない恐れもあることから、岸本周平知事は振興局の機能を強化し、将来的に市町村と一緒に行政を進めたいとしている。

 新年度の機能強化の一つは人員増。かつては振興局の職員を減らし、本庁に増員する流れだったが、新年度は7振興局全てに本庁から増員する。このほか、県としては初となる「地域おこし協力隊」を各振興局で1人ずつ募集し、地域に密着した業務を担当してもらう。組織も一部改編する。

 また、振興局の判断で地域支援の業務を進められるようにする。これまでは本庁からの指示が多かったが、新年度は防災関係や景観関係、地域づくりについての市町村への支援など21業務を本庁から各振興局に移管するという。

 予算についても、これまでは本庁の部署から回る形だったが、新年度から、地域の取り組みに対する補助や観光分野などの予算を独自に持つようにしたいとしている。

 県は、地域に頼られる振興局づくりに向け、新年度を「振興局の機能強化元年」と位置づけたい考えで、関連予算を2月県議会に提案する。

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