和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

猛禽類にも果敢にちょっかい カラスがノスリに、テリトリー主張か、和歌山

ノスリ(右)にちょっかいを出して空中戦を展開するカラス=和歌山県田辺市秋津町で
ノスリ(右)にちょっかいを出して空中戦を展開するカラス=和歌山県田辺市秋津町で
 猛禽(もうきん)類のノスリ(タカ科)にカラスがちょっかいを出す光景が、あちらこちらで目撃されている。日本野鳥の会和歌山県支部会員は「紀南でノスリが見られるのは冬季にだけ。飛来したノスリがカラスのテリトリーに入ったのでは」と指摘している。

 ノスリは全長55センチほどでずんぐりとした体形。県内の一部で繁殖が確認されているが、紀南には越冬のために飛来する。餌はネズミ類などの小型哺乳類だが、ヘビやトカゲ、小鳥なども食べる。これらの餌を求めて農地や市街地にいることが多く、カラスの行動範囲と重なってしまう。特にハシブトガラスがよく追いかけているという。

 田辺市秋津町の竜神橋近くでは、立木に止まって獲物を探していたノスリをカラスが襲撃。ノスリは飛び立って逃げたが、執拗(しつよう)に後を追いかけ空中戦を展開した。上富田町の郵便橋近くでは、電柱に止まったノスリを複数のカラスが威嚇していた。

 県支部会員は「カラスは気が強く、自分より大きな猛禽類にも挑んでいく。時々返り討ちに遭うこともある」と話している。

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