【詳報・動画あり】田辺高校、甲子園へ! センバツ21世紀枠で初選出、春は76年ぶり3回目
第96回選抜高校野球大会の選考委員会が26日、大阪市であり、21世紀枠で田辺(和歌山県)の出場が決まった。田辺の「センバツ」出場は1947年、48年に続いて3回目で76年ぶりとなる。大会は3月18日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で32校が出場して開幕する。県内からは耐久も出場する。
■喜びに沸く 監督「地域のおかげ」
田辺市学園の田辺高校では午後3時40分ごろ、選抜への出場が決まると、校長室で待機していた西嶋淳校長と野球部の田中格監督、嶋田大輔部長が「よかった」と笑顔を見せた。西嶋校長は「いろいろな方に応援していただいて、子どもたちが勉強も、野球も、地域貢献も全部頑張ってきたことがここで報われた。本当にうれしい」と述べた。
田中監督は感極まり涙。グラウンドに集まった部員たちに「この選出は学校や卒業生、地域の人たちのおかげ。感謝の気持ちを持って甲子園に行こう」と呼びかけた。
山本結翔主将は「決まる前から『頑張れよ』と応援してくれていた地域の人の期待に応えられるよう甲子園で勝ちたい。一番の目標は優勝」と力強く語った。
学校では保護者や卒業生、同校の生徒らも一緒になって喜んだ。
田辺市在住のノンフィクション作家で、21世紀枠の創設に関わった日本高野連顧問の佐山和夫さん(87)は「在学生、英語教師として十数年間を田辺高校で過ごしたが、野球部が甲子園出場に迫ったことが何度かあった。あと一歩で夢はかなわなかったが今回は見事にその実力を実証してくれた。いかにも高校生らしい、田高のまっとうな野球を全国に展開できることを喜びとして、勝敗を超えて伸び伸びとプレーしてほしい。野球部員諸君の、これまでの長く尊い精進がようやく報われた。心から祝福したい」とエールを送った。
■21世紀枠で初選出
選抜大会の21世紀枠は2001年の第73回大会から導入された。公式戦の成績以外に、困難な環境の克服や文武両道、地域での活動などが加味されて選考される。
田辺は昨秋の近畿県予選で、投打の中心となる寺西邦右投手(2年)や4番打者の山本陣世選手(2年)らの活躍で市和歌山、智弁和歌山などを破って準優勝。52年ぶりに出場した近畿大会では、1回戦で京都国際に2―3で敗れたが、延長10回タイブレークの接戦だった。
選考では、県内の強豪を破って近畿大会でも接戦を演じた実力のほか、田中格監督がスクールカウンセラーと連携して選手一人一人との対話を重視したチームづくりをしている点が評価された。取材に対し、田中監督は「夢のよう。素晴らしいチームが全国から集まる中で選んでいただいて、光栄なこと」と話した。
県勢の21世紀枠での出場は、向陽(10年)、海南(14年)、桐蔭(15年)に次いで4校目。
◇
紀南地方の高校の選抜大会出場は、2001年の南部(みなべ町)以来23年ぶり。田辺は夏の甲子園には1995年に初出場している。
* * *
【田辺高校】1896(明治29)年に創立。1948年の学制改革で現校名になった。94年から普通科、自然科学科の2科。2006年に田辺中学校が開校し、中高一貫となる。
野球部は現在、選手が2年生9人、1年生9人の18人。マネジャー4人。
■喜びに沸く 監督「地域のおかげ」
田辺市学園の田辺高校では午後3時40分ごろ、選抜への出場が決まると、校長室で待機していた西嶋淳校長と野球部の田中格監督、嶋田大輔部長が「よかった」と笑顔を見せた。西嶋校長は「いろいろな方に応援していただいて、子どもたちが勉強も、野球も、地域貢献も全部頑張ってきたことがここで報われた。本当にうれしい」と述べた。
田中監督は感極まり涙。グラウンドに集まった部員たちに「この選出は学校や卒業生、地域の人たちのおかげ。感謝の気持ちを持って甲子園に行こう」と呼びかけた。
山本結翔主将は「決まる前から『頑張れよ』と応援してくれていた地域の人の期待に応えられるよう甲子園で勝ちたい。一番の目標は優勝」と力強く語った。
学校では保護者や卒業生、同校の生徒らも一緒になって喜んだ。
田辺市在住のノンフィクション作家で、21世紀枠の創設に関わった日本高野連顧問の佐山和夫さん(87)は「在学生、英語教師として十数年間を田辺高校で過ごしたが、野球部が甲子園出場に迫ったことが何度かあった。あと一歩で夢はかなわなかったが今回は見事にその実力を実証してくれた。いかにも高校生らしい、田高のまっとうな野球を全国に展開できることを喜びとして、勝敗を超えて伸び伸びとプレーしてほしい。野球部員諸君の、これまでの長く尊い精進がようやく報われた。心から祝福したい」とエールを送った。
■21世紀枠で初選出
選抜大会の21世紀枠は2001年の第73回大会から導入された。公式戦の成績以外に、困難な環境の克服や文武両道、地域での活動などが加味されて選考される。
田辺は昨秋の近畿県予選で、投打の中心となる寺西邦右投手(2年)や4番打者の山本陣世選手(2年)らの活躍で市和歌山、智弁和歌山などを破って準優勝。52年ぶりに出場した近畿大会では、1回戦で京都国際に2―3で敗れたが、延長10回タイブレークの接戦だった。
選考では、県内の強豪を破って近畿大会でも接戦を演じた実力のほか、田中格監督がスクールカウンセラーと連携して選手一人一人との対話を重視したチームづくりをしている点が評価された。取材に対し、田中監督は「夢のよう。素晴らしいチームが全国から集まる中で選んでいただいて、光栄なこと」と話した。
県勢の21世紀枠での出場は、向陽(10年)、海南(14年)、桐蔭(15年)に次いで4校目。
◇
紀南地方の高校の選抜大会出場は、2001年の南部(みなべ町)以来23年ぶり。田辺は夏の甲子園には1995年に初出場している。
* * *
【田辺高校】1896(明治29)年に創立。1948年の学制改革で現校名になった。94年から普通科、自然科学科の2科。2006年に田辺中学校が開校し、中高一貫となる。
野球部は現在、選手が2年生9人、1年生9人の18人。マネジャー4人。