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入院生活にリラックスタイム 南和歌山医療センターが「院内デイケア」、患者に笑顔

院内デイケアで、座ったままリハビリの運動をする入院患者(和歌山県田辺市たきない町の南和歌山医療センターで)
院内デイケアで、座ったままリハビリの運動をする入院患者(和歌山県田辺市たきない町の南和歌山医療センターで)
 南和歌山医療センター(和歌山県田辺市たきない町)は、意識が混濁する「せん妄」や認知機能が低下した患者の回復支援のため、「院内デイケア」を始めた。「せん妄」は、手術や入院がきっかけになることが多い。気分転換やコミュニケーションの機会を設け、情緒安定や生活の質向上を図る。

 「今日は何日ですか」。作業療法士の中瀬浩司さんの問いに「11月31日」の答えが返ってきた。「11月は30日までですね。だとすると」。中瀬さんが促すと、次は「12月1日」と正解が返ってきた。

 院内デイケアは、今がいつなのか、いる場所が分からないといった見当障害を解消する訓練から始まる。座ったままできるリハビリ運動なども取り入れて約30分。ストレスが生じやすい入院生活の中で、ベッドを離れ、リラックスした時間を過ごす。

 南和歌山医療センターでは脳神経外科病棟の患者を対象に、11月から試行的に始めた。中瀬さんと認知症看護認定看護師の安達ゆりさんが担当し、週2回開いている。県内でも珍しい取り組みという。

 この日は、4人の患者が参加。中瀬さんが新聞を題材に「オスプレイって知っていますか」「しめ縄の張り替えがありましたが、来年の干支(えと)はなんでしょうか」などと問いかけ、会話が広がった。

 正垣彩看護師長は「継続的に参加している人は反応が良くなり、柔らかい表情も見られた。コロナで面会制限もあり、コミュニケーションの機会も少なくなっている。楽しみながら続けてもらえればうれしい」と話した。

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