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文化功労者に佐山さん 和歌山県田辺市の作家、日米野球史などの著作が評価

佐山和夫さん
佐山和夫さん
 日米の野球史について多数の著作がある和歌山県田辺市上屋敷2丁目のノンフィクション作家、佐山和夫さん(87)が、文部科学相から本年度の地域文化功労者表彰(芸術文化分野)を受けた。長年にわたる作家としての優れた活動が評価された。16日に京都市の京都府立府民ホールで表彰式が開かれた。

 芸術文化の振興や文化財の保護に尽力する地域文化振興に功績のあった個人や団体をたたえる表彰。本年度「芸術文化分野」では50人と4団体、「文化財保護分野」では26人と14団体が全国から選ばれた。県内からはほかに御坊市の「戯瓢踊(けほんおどり)保存会」も文化財保護分野で受けた。

 佐山さんは田辺高校、慶応義塾大学文学部英文学科卒業。田辺高校教諭などを経て、作家活動を開始した。米国野球ニグロ・リーグの名投手を描いた「史上最高の投手はだれか」(1984年)で「第3回潮賞ノンフィクション部門」を受賞。その後も米国文化の紹介に貢献した人に贈られる「ジョセフ・アストマン賞」を日本人として初受賞するなど多方面に評価されている。

 野球事情に精通していることから日本高校野球連盟顧問を務め、選抜高校野球の21世紀枠や日本プロ野球の社会貢献を顕彰する「ゴールデン・スピリット賞」創設にも尽力。2021年に野球殿堂博物館から特別表彰を受け、殿堂入りした。

 野球以外でも、NHK大河ドラマ「いだてん」のきっかけとなった「金栗四三―消えたオリンピック走者」や、18世紀末に米国船レイディ・ワシントン号が串本町に来航した史実を書いた「わが名はケンドリック」などの著書がある。

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