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知事、和歌山県の対応検証へ 施工不良の八郎山トンネル、68回必要な確認3回のみ

ずさんな工事がされていた県道長井古座線の八郎山トンネル(和歌山県串本町で)=県提供
ずさんな工事がされていた県道長井古座線の八郎山トンネル(和歌山県串本町で)=県提供
 12月開通予定だった県道長井古座線の八郎山トンネル(和歌山県串本町―那智勝浦町、711メートル)で大規模な施工不良が発覚したことを受け、岸本周平知事は1日の記者会見で「大きな不祥事。施工業者には深く反省してもらわないといけない。県も見抜けなかった要因を真剣に検証する」と話した。

 工事を請け負ったのは、淺川組(和歌山市)と堀組(田辺市)の共同企業体。内壁(覆工コンクリート)の厚さが設計の10分の1しかない所があるなど、全体的に薄かったり、内壁の外側に空洞があったりしたことが、県への引き渡し後に別業者の指摘で分かった。地震などで崩落する恐れもあったといい、開通予定が大幅に遅れることとなった。現場では施工不良を認識しながらも、業者からは設計通りに完了したという改ざん書類が県に提出されていたといい、県は2社の入札資格を6カ月停止にした。

 一方で、工事の進展に応じて、県が現場確認する必要があるが「覆工コンクリート」の確認では、必要な68回のうち、正常に施工されていた時期の3回しか実施しなかった。岸本知事は「段階確認がなぜできなかったのか。職員の認識不足があったのか、職員のミスを組織でフォローする態勢があったのかなかったのかを中心に検証したい」とした。

 さらに、県土整備部の技術職員が不足している可能性があるとし、このことも検証した上で、採用増や業務量削減などを検討したいとした。

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