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甘い滴り「蜜切り」最盛期 和歌山県南部の山間部でニホンミツバチの蜂蜜採取

ゴーラから蜜の入った巣を取り出す橋本尚視さん(和歌山県那智勝浦町で)
ゴーラから蜜の入った巣を取り出す橋本尚視さん(和歌山県那智勝浦町で)
 和歌山県紀南地方の山あいで、「ゴーラ」と呼ばれるニホンミツバチの巣箱から蜜を採取する「蜜切り」の作業が最盛期を迎えている。切り出した巣からは甘い蜜が滴っていた。作業は9月ごろまで続く。

 ゴーラは杉の丸太をくり抜いたもので、木の洞で営巣するニホンミツバチの習性を利用している。紀南地方のあちらこちらで見ることができる。

 古座川町高池の橋本尚視さん(71)によると、4月ごろに巣分かれしたミツバチをゴーラにすまわせ、翌年の夏にミツバチが集めた蜜を採取する。蜜はざるや布でこして不純物を取り除き、瓶に詰める。ニホンミツバチの蜂蜜は糖度が80度を超えるという。

 橋本さんは養蜂歴30年以上で、串本町や古座川町、那智勝浦町の計約60カ所にゴーラを設置している。26日の作業では、ミツバチを傷つけないようにゴーラの外側をたたくなどして追い出し、巣を切り出していた。サナギの入った部分は残し、蜜のある部分だけを持ち帰った。

 橋本さんは「味はさっぱりしていて、夏を乗り切るのにぴったり。今年は暑い時期が続いていて糖度が高く、理想の蜜になっている」と話した。

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