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マスク着用目立つ 和歌山県内の高校卒業式

卒業証書を受け取る生徒(1日、和歌山県田辺市学園で)
卒業証書を受け取る生徒(1日、和歌山県田辺市学園で)
 和歌山県内の多くの公立高校で1日、卒業式があり、卒業生は思い出を胸に学びやを巣立った。政府の方針を受け、各高校では事前に「マスク不要」が呼びかけられていたが、着用する卒業生が目立った。

 今年の卒業生が入学したのは2020年春。新型コロナウイルス感染症の流行が始まった時期と重なり、卒業生は3年間全てを「マスクあり」で過ごしてきた。高校生活最後の日である卒業式が、その制限を受けない唯一の日となった。ただし、出席する保護者や来賓は常にマスク着用を基本とし、歌を歌う場合は全員が着用するといった感染対策が求められた。

 田辺市学園の田辺高校では普通科195人、自然科学科75人が卒業。ほとんどの生徒がマスクを着用したまま出席した。保護者や教職員らが見守る中、各クラスの代表生徒が壇上で、西嶋淳校長から卒業証書を受け取った。西嶋校長は、マスクをしていない生徒に授与する時だけ自分もマスクを外した。在校生は、送辞を述べる生徒を含む生徒会役員3人のみ出席した。

 西嶋校長は「コロナ禍で過ごした青春だからこそ、学べたこと、体験できたことがたくさんあったと思う。それぞれの理想、夢、目標に向かって雄々しく歩んでほしい」と激励した。

 卒業生を代表し、普通科の箱島優吏君が答辞。コロナによって生活が一変したことに触れ「入学式でまさかの休校の発表。そして分散登校。学校再開後も、まともに行事ができなかった」と、理想の高校生活とはかけ離れたスタートだったことに触れた。

 さらに、何度も延期された後に修学旅行に行けたことなど、3年間の思い出を振り返り、先生や家族への感謝、在校生へのエールを伝えた。最後は「田辺高校で過ごした『過去』が未来永劫(えいごう)、私たちを支えてくれるはずだ」と結んだ。


■マスク外しに戸惑い

 マスクを外して出席した男子生徒は「3年間ずっとマスクをしていた。最後くらいは外そうと思った」と話した。

 マスクをしたまま出席した女子生徒2人は「友達の顔は見たいなと少し思ったが、自分の顔を見られるのは恥ずかしかった」「コロナ禍の生活が私たちの日常で当たり前。何かを我慢していたという感覚はあまりない。式の時だけ急にマスクを外すことには戸惑いがあった」と胸中を語り、「いまはみんなと離れるのがとても寂しい。マスク越しでも、良い卒業式だった」と笑顔を見せた。

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