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「地域で働く」を考える 高校生が企業と交流学習

実行委のサポートを受け、ワークショップで意見を出し合う高校生(田辺市神子浜2丁目で)
実行委のサポートを受け、ワークショップで意見を出し合う高校生(田辺市神子浜2丁目で)
 紀南の高校生が、地元企業と交流しながら将来を考えるプログラム「スタートライン」が、始まった。大人の働き方に触れたり、企業課題の解決案を考えたりしながら、自分自身、地域を探究する。


 田辺市の人材育成事業「たなべ未来創造塾」の塾生や修了生を中心にした「若年層と地域産業の相互理解実行委員会」が企画した。若者の人口流出が続く中、地域の企業・産業と結び付ける仕組みをつくり、地元で活躍する人材を育成するのが狙い。

 プログラムは、事前と事後の学習会、企業との学習会を合わせ最大で7日間。企業との学習会は5回のうち、最低2回受ける。高校生は複数の企業経営者らに出会い、仕事についてインタビューしたり、事業課題解決のアイデアを考えたりする。

 地域産業を俯瞰(ふかん)して見ることができ、自分が興味のなかった業界とも接点ができる▽地域で働く大人の考え方を知ることで、自分の将来設計につなげられる▽自分の考えを発信する力を身に付けられる―などの利点があるという。

 事前学習会が15日、田辺市神子浜2丁目の高垣工務店シリコンバーであり、田辺高校と田辺工業高校の2校から計9人が参加。プログラムの目的や日程について説明を受けた後、梅加工品の販売やアウトドア施設のPRなどを考えるワークショップを通じ、「働く」のさまざまな側面を学んだ。

 企業との学習会は、22日から2月11日まで。製造業やサービス業など業種はさまざまで、事業課題をテーマにマーケティングやプロモーションなどに挑戦する。大学生がサポート役を務める予定。事後学習会と参加企業との交流会もある。

 田辺高校1年の宇杉秀平君は「周囲には将来の職業を意識している子もいるけれど、僕はまだ何も決められていない。何かをつかむきっかけにしたい」、同校1年の楠本杏さんも「将来地元に残りたい。その時、どんな仕事ができるのか。体験を通じ考えたい」と意気込みを語った。

 実行委事務局の山田かな子さんは「いろいろな仕事を体験して、楽しいと思ったことを将来の職業選択に生かしてもらえればいい」とエールを送った。

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