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2年越しの笑顔咲く 成人式に代わり手作りで「22祭」

ビンゴ大会で盛り上がる「22祭」参加者(和歌山県田辺市新屋敷町で)
ビンゴ大会で盛り上がる「22祭」参加者(和歌山県田辺市新屋敷町で)
 和歌山県田辺市の紀南文化会館で7日、新型コロナウイルス感染拡大で中止になった2年前の成人式に代わる集い「22祭(さい)」があった。対象者が手作りしたイベント。ゲストに芸人を招いたり、ビンゴ大会を開いたりして盛り上がり、マスク越しに笑顔があふれた。


 集いのテーマは「みんなとつながり、思い出を語り、明日をつくる」。田辺市青年ネットワークの呼びかけで発足した実行委員会8人が昨年9月から会議を重ね、イベント内容はもちろん、資金集めなどに一から取り組んで実現した。この日は対象750人のうち、157人が参加した。

 ビンゴ大会は、升目に数字の代わりに「懐かしいワード」を使ったオリジナル。「うまい給食」「レモンせっけん」などと読み上げられると、スクリーンに「ささみのレモン煮」「学校の手洗い場にあったせっけん」などが映し出された。協賛企業の提供でホテル宿泊券や梅酒、菓子などの景品が当たった。

 ゲストにはお笑いコンビ「祇園」の櫻井健一朗さん、「フースーヤ」を招き、トークや漫才のステージを楽しんだ。

 田辺市秋津町の水道業、山本龍稀さんは20歳の成人式のため購入した羽織はかま姿で参加。「記念写真を撮っただけでしまっていた。披露するのは恥ずかしかったけれど、参加できて良かった」と友人との記念撮影を楽しんだ。

 大阪市在住の看護師、福田胡美さんは「病院の仕事は大変だけれど、みんなの頑張っている話が聞けて刺激を受けた。明日へ向かう力が湧いてきた」とビンゴ大会で獲得した梅酒を抱えて笑顔を見せた。

 東京都在住の大学生で、オンラインで実行委に参加していた西尾崚さんは「大学もオンライン中心の授業。地元だけでなく、大学の友達にも会えない時期が続いた。春にはほとんどが社会人になって、簡単には集まれない。リアルで出会える貴重な機会になった」と話した。

 実行委員長で市職員の中島野乃世さんは「準備は大変だったけれど、会場のあちこちで『久しぶり』と再会を喜ぶ声を聞いて、やって良かったと実感した。多くの人に支えられたし、参加のみんなからも元気をもらえた」と笑顔を見せた。

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