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落ちアユ一網打尽 日高川でハメ漁始まる

日高川に設けた仕掛けを見る、左から吉本宗典さんと山本勝一さん(和歌山県田辺市龍神村福井で)
日高川に設けた仕掛けを見る、左から吉本宗典さんと山本勝一さん(和歌山県田辺市龍神村福井で)
 秋の風物詩として知られる日高川のハメ漁が、1日から解禁された。産卵のために川を下る落ちアユを狙う伝統の漁法で、和歌山県田辺市龍神村でも毎年行われている。漁期は12月31日まで。

 ハメ漁は、川の浅瀬に対岸までくいを打ち、水中にロープを張ってササやわらを付ける。川を下る途中で足止めされ、行き場がなくなったアユが集まったところを小鷹網(こたかあみ)を投げて捕獲する。仕掛けの端に「つろ」と呼ぶ囲い込みを作り、そこにたまったアユをたも網で取る方法もある。

 毎年地元でハメ漁をしている龍神村福井の山本勝一さん(80)と吉本宗典さん(69)は、今年も初日からくいを打つ作業をして仕掛けを作った。天気の良い日に河原に出て、人影でアユが警戒しないようにしながら、「つろ」にアユが集まってくるのをひたすら待っている。

 漁は朝から午後3時ごろまで続けるが、アユが仕掛けにかからない日は昼ごろに引き揚げる。全く取れない日もあるが、多い時は1日に100匹ほど取れることもあるという。

 山本さんは「農作業が落ち着いた時季にアユ取りをしていて、友釣りもしている。今年のアユは、下ってくる時季が遅いように感じる。昨年は千匹くらい取った」と話している。アユは、塩焼きにして食べたり、友人にプレゼントしたりしているという。

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