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【動画】巨岩に「守り犬」の影 古座川の一枚岩で夏の風物詩

 和歌山県古座川町相瀬にある国の天然記念物「古座川の一枚岩」に23日の夕方、里の猟犬が魔物を追い払ったという民話にちなみ「一枚岩の守り犬」として親しまれている影が現れた。夏と春の限られた期間だけ見ることができる現象で、訪れていた観光客らを楽しませた。

 南紀熊野ジオパークの見どころ「ジオサイト」の一つである一枚岩は、高さ約100メートル、幅約500メートル。地表に現れた一枚の岩盤としては日本最大級として知られている。

 民話によると、岩が大好物という魔物が同町池野山にある国指定天然記念物「虫喰(むしくい)岩」などを食い荒らしながら古座川をさかのぼった。一枚岩にたどり着いていよいよ食べようとしたところ、里にすむ猟犬が襲いかかって魔物を追い払ったことから、一枚岩は穴だらけにならずに残ったと言われている。

 「一枚岩の守り犬」の影は毎年8月25日前後と4月19日前後の数日間現れるとされ、夕日を受けて一枚岩に浮かび上がった対岸の山影が、犬が魔物に向かってほえているように見えるとして有名になった。

 23日の夕方は太陽の光が雲に遮られることも多かったが、午後5時ごろには耳を立て、向かって右側を向いた犬のように見える影が岩壁に浮かび上がった。

 家族4人でキャンプに訪れていた神戸市の男性(38)は「何となく分かった。守り犬の影のことは全然知らずに来たが、看板でこの時季だと紹介されていたので、見られたら良いねと妻と話していた。ラッキーです」と話していた。
岩壁に現れた「守り犬」の影(23日午後5時2分、和歌山県古座川町相瀬で)
岩壁に現れた「守り犬」の影(23日午後5時2分、和歌山県古座川町相瀬で)
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